第24話 12月20日 土曜日 C2

 まさかのお店のキャラクター?さんから、新たな情報を得た俺達。一瞬3人ともが思考停止。固まった。いや、まさかの事でしてね。


「「「……」」」


 3人が、えっ?という表情のままそれぞれの顔を見て、最後に教えてくれたお店の人を見た。お店の人はスマイルだった。


 マジか。ホテル?長時間プレイ用に?と、いろいろ新情報にびっくりだった。どうやら俺達。ダンジョン入り口前ですらちゃんと見ていなかったらしい。お店のキャラに言われてちょっと唖然。必要なアイテムを買うとそのまま俺達は町の探索をすることにした。


 てっきりお店。アイテムや武器を売っているところと、食事処だけ――後はダンジョン入り口だけと思っていたが。ちゃんと見てみると、食事処の裏にはまだ道があり。さらに裏には裏で――。


「こっちにも別の武器屋とかあったのか」


 違うお店なども建っていて、こちらにも結構なプレイヤーが居た。


「こっちには。アイテム屋さんもありますよ」


 湖奈もちょっと興奮気味に周りを見つつ話しかけてきている。


「全然こっち側の事は知らなかったな。表だけかと思ってた」


 まさかの今更の発見という感じで、俺達はダンジョン手前の町がそこそこ広いことを知ったのだった。ちなみにちょっと裏になるから他のプレイヤーは居ない――とか思ったのは大間違い。普通に賑わっていた。


 こんなにゲーム参加者居たんだ……というレベルでプレイヤーが歩いていた。

 さらにさらに、本当にゲーム内で寝泊まりもできるらしく。そりゃどんどん攻略できる人もいるわ。大きなホテルというのもあった。あと、まさかの銭湯というものまであった。あれだ。戦った後の風呂だな。今までの俺達は戦った後はというと、ゲーム内だけだし。ということで、汚れとか気にせず帰っていたが――まさかのゲーム内で、一度気持ちよくなってから帰ることも出来たらしい。いやいやマジで数回。プレイ時間で言えばそこそこ過ぎているのに今更の発見が多かった。


 ちなみに銭湯を見つけると。湖奈が『斗真先輩ちょっと入ってきます』と言い早速先頭に行ってしまったので、俺と文は食事処で待機――と、思っていたら。


「ちょっとオレも銭湯気になるから見てくるか。覗けるかもしれないし。バグないかなー。斗真も来るだろ?」

「——遠慮する」

「何でだよ。ゲームじゃん。それに汚い奴は嫌われるぞ?」

「遠慮する。俺はこのあたりのアイテムショップ見てるよ」

「損してるなー」


 結局文も銭湯へと消えていったのだった。


「ホントこれならずっと――ここ。ゲーム内で過ごせるな」


 湖奈、文と別れた後。俺は新しく見つけたアイテムショップを見つつそんなことをつぶやいていた。ちなみに町を歩いていたら汗は止まっていつも通りとなっていた。本当は俺も風呂に――だったが。今行くと文にいろいろ言われそうだからな。


 にしても本当に、もう現実とゲームがわからなくなる感覚だった。先ほどお店に入る前に新たに見つけた食事処では、お菓子系も多く扱っていて、ちょっとドーナツを買ってみたら――普通にドーナツだったし。もうマジですごいよ。味もしっかりわかって、ちょっと満腹感もと。

 そうそう一応お菓子系を食べても気持ちだけだがステータスが上昇していた。能力アップ見たいな表示がステータスに出ていたからな。いろいろびっくりだわ。

 それから俺はまだ2人が戻って来る感じがなかったので、少しアイテムを売ってお金に換え、初めて入るアイテム屋でアイテムを補充したりして時間をつぶした。


 ちなみにしばらくして先に戻って来たのは文だった。


「——男しかいなかった」


 本当に風呂上り感があった文だが。なぜか表情は複雑って――当たり前だろうが。


「まあそりゃそうだろ」

「マッチョの男を見てもだし。とっとと帰って来た。小細工してたらバレそうだし」

「ゲーム内をいじるな。馬鹿が」


 文の場合マジでしそうだからな。こんなところあるなら外からちょっと細工――とかしそうで怖い。


「まあ中からはさすがに無理だわ」

「外からでもいじるな」


 ホント、文は――である。ゲームだと昔からこいつ気が付くと、チートを使ってくるというか――基本おかしかったからな。でもさすがに、これだけ発展したゲームはセキュリティーも強いだろうし。文でも無理だろう。

 昔の持ち運び式のゲームなら、めっちゃいじっていたが。ちょっとは苦手なところに才能振り分ければなのに、極めたところはホント極めていたからな。それ以外は全くだが。

 だから馬鹿と周りからずっと言われているんだがな。


 ♪


 すると、急に通知音みたいなのが聞こえた。多分これは俺にだけ聞こえるパターンのものだろうと思いつつ「なんだ?」と、とりあえずステータスをとりあえず開くと『新着メッセージがあります』という音声が聞こえてきた。また新しい事かよ。と思いつつ俺は新着メッセージのところを触った。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る