第10話 12月12日 金曜日 C9
武器を買いに行くと言ったがすぐにお店から戻って来た文。
あれ?そんなすぐにお気に入りのあったのか?と、俺が不思議に思っていると。俺達のところに戻って来るなり。
「……売り切ればかりじゃねーか。誰だよ。まとめ買いした馬鹿は」
そんなことを言いながら、ガックリとする文だった。
「金があっても買えないものはあると」
「おまけに金だけじゃなくて、ダンジョンでモンスターを倒したらもらえる報酬。アイテムが必要な武器まであったぞ」
「じゃあ良い武器を購入するには、潜る必要があると」
「そういうことだ。だから2人とも申請して弱い俺も楽々アイテムゲットへと導いてくれ」
そう言いつつステータス画面を再度表示する文だったが――。
「嫌です。パーティは3人までなのでその枠を使い切るのは嫌ですね」
再度あっさり断られる文だった。ってか、3人までなのか。少ないな。って、ちゃんと表示があった。パーティのところに3分の2という表示があった。あと1人と言うことだな。などと俺が思っていると、文が俺に寄って来て――。
「斗真。説得してくれよ」
そんなことを言ってきたのだが。今の湖奈を説得する自信は俺にはなかった。まだちゃんと話を聞いてないからわからないが。文が確実に何かしているからな。ここで 文に寄ると俺も被害が――の可能性があるのでね。
「無理だな」
「何でだよー」
「っか。パーティ登録すると何が違うんだ?一緒に入れないのか?」
俺がつぶやくと答えてくれたのは湖奈だった。
「いえ、普通のダンジョン内ならパーティ申請をしなくても一緒に行動できるみたいですが。経験値は一緒に入りません。経験値を得るにはとどめを刺す必要があるみたいですね。あと、モンスターを倒した際にドロップするアイテムはパーティを組んでいれば、パーティのアイテムボックスに入るみたいです。それはパーティ内の人しか使うことが出来ないみたいですね。だからソロの場合はやはりとどめを刺さないと自分の物には――ですかね。あと、アイテムも共有できませんから――ただ居るだけですかね。ちなみにボスエリアのところだけ。パーティじゃないと一緒に入れないみたいです。でもボスは強いみたいなので、その時は他のパーティと協力。パーティ協力申請みたいなのが表示されるみたいで、近くに居たパーティーと協力ができるみたいです。その時だけ最大6人で攻略が出来るみたいです」
「湖奈——詳しいな」
さらさらと説明をしてくれた湖奈に俺が驚いていると。
「今説明を読みましたから」
湖奈っがそんなことを言ってきたので、チラッと湖奈の方を見ると、湖奈はステータス画面を見つつ。ヘルプ。という場所を読んでいたのだった。どうやらわからないことはちゃんと書かれているらしい。わからなかったらまず自分で確認しろか。
「——ちゃんと書かれているんだな」
「ですね。まあとりあえずボスははじめは居ないみたいですから。普通に楽しみましょう」
「だな。ってか、湖奈は聖職者?魔術師?」
「私聖職者です」
そう言いなっがらくるっとその場で回る湖奈。ローブは微妙に違うだけなので、やはり見ただけでは、判断は難しい。
「なるほど、魔術師と聖職者あまり見た目じゃ――だな。よく見ると。ローブが確かに違うが」
「確かに似てますね。後は使える魔法とかが違うくらいですね」
「そういえば俺は何が使えるんだ?それ見とかないとだよな?剣とかで――じゃなくて中距離くらいからの攻撃になるんだろうし」
危ない危ない。このままダンジョンに直行していたら。俺何もできず死ぬところだった。
「ですね。斗真先輩ちゃんと見ておいてくださいよ?」
「ああ、確認する」
「ちなみに私はヒールと。ウインドが使えます」
すると湖奈がステータスの画面で詳細というところを操作して、攻撃などの画面を見せてくれたので、俺も同じく操作をしつつ。
「ウインド?風の攻撃か?」
「みたいです。説明には、相手を吹き飛ばす。でしたから。どのくらいの攻撃力かはやってみないとですが。ちなみにあとは経験値を積んだり。お店で魔術を買ったりとかになるみたいです」
「ほー、って、俺は――マジックソードに、サンダーボールか」
「マジックソード?魔法の剣ですか?」
「わからん。試してみるか」
俺は杖を持ち――どうするんだ?と思いつつもとりあえず。
「マジックソード――おお」
「うわっ。すごい」
俺の持っていた杖が白く光り鋭くなったとかでないが。わかる。これは何か切れるようになったと。そして10秒程度すると元の杖に戻った。
「攻撃とかは基本ランダムみたいですが――斗真先輩そのマジックソード便利そうですね。魔術師なのに接近戦もで来ますね」
「確かに。剣と同じか。俺的には中長距離目当てだったが――サンダーボールは――ここで使うとか」
「ですね。怒られるかもです」
「まあサンダーボールは雷系の攻撃か」
「だと思いますよ?中に入ったら試しましょう」
「だな」
「斗真先輩には、私を守ってもらわないとなので」
そう言いなっがら俺の腕に掴まってくる湖奈。っか、今までもくっついてくることはあったが。今日は特段甘えてくるのが多い気がする。
「——湖奈もウインドがあるのでは?」
「基本私は斗真先輩を癒すんですよ?」
確かにバトル中に回復してもらえるのはありがたいが――2人は大変では?などと俺が思っていると。
「おーい、だから2人の世界ばかり入るなオレの――」
「うるさいです」
「はぁ……」
どうやらこの2人。本当に今日は何かあったらしく。ギクシャクといった感じだった。まあ雰囲気が悪いとかではないんだがな。何が本当にあったのか。こりゃ文を入れるのは無理だな。
「っか。文は、殴り込みに行くんだろ?とりあえず。じゃないと武器も――だし」
「まあだな。オレ様の力を。武器などなくても行けることを証明するか」
「すぐに心折れそう」
「私もそれに1票です。何もわからないのに、裸を選択は謎です」
「——確かに」
これは湖奈の言う通りか。どんなゲームかもわからない状況で。わざわざ初期のレベルを上げるのは無謀だ。これでダンジョン内いきなり強い――敵は居ないとは思うが。下手したら詰むだろうな。
とりあえず。それから俺達は町となっているところの奥にあるダンジョン入り口というところへと進んだのだった。
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