第5話 1人の男

ある夜いつものようにカフェを閉めようとしていると1人の若い黒髪の男が入ってきた。その男は私と同じくらいの歳で懐かしい感じで、ふんわりと笑い訪ねてきた。


「まだやってますか?」


もう終わりの時間だったが、その笑顔にのみこまれた。


「いいですよ。どうぞ」


男は笑顔で返事をした私に微笑みかけ、カウンターの席に座った。


そして男はメニューをみてコーヒーをたのんだ。

コーヒーの香りで店内がつつみこまれ、穏やかな時間が始まる。


男はカウンターの食されていないデザートがおいてある席をじっとみた後私に質問した。


「なぜこのお店をはじめたのですか?」


うまくごまかしてもよかったが、なぜか正直に親友の話しをした。男は黙ってきいていた。

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