第67話 平和への道のり その3

 ハンナが改めて魔王マオと巨人族マクベスと道化師ティファニーをまじまじと見つめる。


(魔王はツノが生えているけど、よく見るとただの美人じゃない……ユウ様の方がかわいいけど!)

(筋肉は怖そうな顔しているけど、アッシュといるとなんだか嬉しそうにしているわ……悪い奴じゃなさそうね)

(道化師は……メイクしているけど、中身はイケメンな気配がするわ! ああ、ちょっとオフの道化師も見てみたい!)


 そんなことを思いながらも、ついついこんな言葉が口から出てしまう。

「で、でも……魔族と仲良くなんてできるわけないわ!」


 そのとき、またしてもどこからともなく声が聞こえてきた。

「小娘よ……私が説明してやろうではないか」

 再びワープゲートが開いて、そこから黒髪短髪の大魔王ダイマイケてるオジ様が現れたのだ。


「イケオジ!」とアッシュが叫ぶ。

「ダイマ様!」とマクベスとティファニーが声を出す。

「お父様!」マオはまさかの父親の登場に驚く。

「大魔王……魔王の上にまだ大物がいるの?」ハンナは呆然とする。


 なんと人間の世界の城下町にある勇者の自宅に、大魔王ダイマが降臨したのだ。

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