第51話 大魔王降臨 その1
「……こ、ここは?」
目を覚ました戦士アッシュが、見慣れない景色に戸惑う。
所狭しと並べられたトレーニングマシンの数々。そのどれもが使い込まれたものだったが、丁寧にメンテナンスされていて、「俺を使って鍛えてくれ!」と言わんばかりだった。そして、装備していたはずの鎧や兜はロッカーに丁寧に納められていて、なぜか短パンにタンクトップ一枚という身なりだった。
「おっ、目が覚めたか」
マクベスがアッシュが起きたことに気づき、近寄ってきた。彼もまた、タンクトップに短パンという出で立ちだった。
「おお、マクベスじゃないか!」
脳みそまで筋肉の二人は、人を顔で覚えるのではなく筋肉の形状で記憶しているので、服や鎧を着ている状態では誰が誰なのか分からないのだ。ティファニーの魔法によって魔王城のトレーニングルームに飛ばされ、タンクトップに短パン姿となって初めて、お互いが温泉で出会った
「まさかアッシュが勇者一行の戦士だったとは気づかなかったよ」
「俺もだ。まさかマクベスが魔王の側近だったなんて」
昨日の敵は今日の
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます