第45話 魔王襲来 その5

(好き……じゃなくて隙、か。魔王め、可愛い顔してなかなか正々堂々としたやつじゃないか)


 戦士アッシュはマクベスの言葉を聞いて、なるほどと納得した。そして、そそくさとマオたち三人の前を通り過ぎて、玄関横に立てかけてあった装備一式を取り、元いたテーブルのところへと戻ってくる。


「そのままちょっと待っててくれよ」


 若干慌てながら鎧や兜などを装備していくアッシュ。マオやティファニー、そして味方であるユウとハンナもぽかんとその姿を見つめている。すべての装備を身につけると、アッシュは声高らかに叫んだ。


「さあ準備はできた! 魔王とその側近たちよ、中へ入ってこい! そして、どこからでもかかってくるといい!」

「フハハハハ! (中へ入ってこいという)その言葉、待っておったぞ!」

 マクベスがそう反応する。


「違うでしょ!」


 ハンナがいつの間にか手にしていたフライパンで、ガン! とアッシュの兜を叩いた。同時に、ティファニーも、「この脳筋コンビ!」とマクベスの首筋に手刀を叩き込んだ。

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