第44話 魔王襲来 その4

「好きです!」

 マオの衝撃の発言に一同が驚いた。まだ部屋にも入っていないというのに!


(あらー、マオちゃんったら、ダ・イ・タ・ン!)とは道化師ティファニー。

(敵に隙を知らせるとはさすがマオ様!)と勘違い巨人マクベス。

(好きです? まさかこの魔王、俺に気があるというのか?)同じく勘違い戦士アッシュ。

(突然現れて何言ってんのこいつ)僧侶ハンナは眉をしかめる。

(え、え、え、誰に言ってんの? 私? 私?)勇者ユウは混乱した。

(しまったぁ! 最初はごめんなさいを言わなきゃいけなかったのに!)魔王マオは緊張のあまり言うべきセリフを間違えてしまった。


 しばらく静寂が支配する部屋の空気を破ったのは、魔王の側近マクベスだった。


「勇者よ! 魔王様がわざわざがあるぞと伝えてくれたのだ! 早く武器を装備して戦いの準備をせぬか!」


――は? 何言ってんのマクベス。


 マオが目を大きくして、隣の筋肉巨人マクベスに対して何か言いたそうだったが、話はあれよあれよと先へ進んでいく。

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