第35話 勇者と魔王と温泉と その4
「だーっはっはっは! 魔族にこんないい筋肉の男がいるなんて! 今度一緒にトレーニングしようぜ!」
「喜んで! しかしあんたもなかなかだ! 人間でこんなに筋肉がついている男初めて見たぞ!」
いつの間にか恋話が筋肉談義になって、戦士アッシュと巨人族マクベスはすっかり打ち解けていた。ティファニーはマクベスが魔族とバレてしまったときのことを危惧していたが、それも杞憂に終わった。
(ただ……二人とも既に二回会っているということに気付いていないのね……まさに脳筋とはこのことだわ)
「アーッシュ! そろそろ上がるからね!」
岩の向こうから僧侶ハンナの声が聞こえてきた。
「おっ、呼ばれた。じゃあ、また
「ああ、またな
アッシュはマクベスとティファニーに別れを告げ、満足そうな表情で男湯を後にした。
着替えを終え、ハンナとユウと合流してから、ふと気付いてしまったのだ。
――ユウちゃんはあなたのこと待ってるかもしれないわよ?
「ん? 俺はユウ様の名前を出したっけ? なんであの人、名前を知ってたんだ?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます