第23話 城下町、ユウの家 その2
――魔族って……魔王って、恐くって、もっと肌がゴツゴツしていて、気持ち悪い生き物だと思ってた。でも、マオのおでこは優しくて、柔らかくて、気持ちいい。
額をくっつけたまま目を開けると、ユウの目の前にマオの目と鼻と、唇があった。こんなに近くで見る機会はそうそうない。ユウはマオの顔をじっくり観察してみた。
目は閉じているが、睫毛がとっても長い。鼻筋もスッと通っていて、唇は薄く紅が入ってぷるぷるしている。バッチリ化粧も決めていて、素敵なお姉さんって感じ。なんてきれいなんだろう。
ああ、好き!
そんなことを思えば思うほど、ドクンドクンと、心臓の音が大きくなる。この音のせいで、マオが目を覚ましたらどうしよう……。でも、そんなの関係ないか。
ユウはもう一度目を閉じて、額でマオの体温を感じていた。
と同時に、マオの口から温かい吐息が漏れて、ユウの唇に優しく当たる。
――ああ、もうこのまま唇を合わせちゃってもいいかなぁ。マオは寝ているし、いいよね!
そう思ってユウは目を開けた。
すると、マオの目がぱっちりと開いていて、目が合ってしまった。
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