第22話 城下町、ユウの家 その1
顔を真っ赤にして苦しんでいるマオを抱え、ユウは市場から少し離れたところにある自宅へと戻ってきた。
「大変、すごい熱! 身体中が熱いわ!」
ちょうど戦士アッシュと僧侶ハンナがお城へ呼び出しをくらい、家にいないのが好都合だった。急いで自分のベッドに、ユウはマオを寝かせた。すぐに台所へ行き、氷嚢に氷を入れ戻ってくる。
「うぅ……」マオが苦しそうに? 呻き声を上げた。
ユウは突然熱を出したマオを心配しつつ、その顔を見つめる。
――ああ、でも……苦しんでいる顔もきれい! そして体つきも……なんて理想的な……しまった! おんぶしておけば背中に胸の感触を味わえ……いやいや、そんなことを考えている場合ではないわ! 早くおでこに氷を……!
と、ユウが氷嚢をマオの額に当てようとするも、一旦その手が止まる。
――ま、まずは熱を測らないといけないわよね。
ユウはマオのおでこに手を当てようとしたが、両手で氷嚢を持っていることに気づいた。
(普通は手を当てるんだけど、今は手が塞がっているから、しょうがないよね!)
しばらく考えて、そして少し顔を赤らめて「うん」とうなづき、目を閉じて自分のおでこをマオの額に当てた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます