第11話 勇者と魔王、再び その4
魔王の側近の一人、巨人族のマクベスは魔王マオと勇者ユウの戦いから目が離せなかった。
魔神の加護を受けた魔王マオが負けることはないと信じてはいたが、女神の寵愛を受けし勇者ユウがこれほどまでに強いとは思ってもいなかったのだ。
「マオ様……」
万が一のことがあれば、たとえ「手を出すな」と言われていても助けに入るつもりだった。赤ん坊の頃からマオの成長を見守ってきたマクベスにとって、彼女は大事な妹のような存在だったからだ。
魔王マオと勇者ユウが剣をぶつけ合いながら近づき、距離を取る。そのときだった。
突然マオが顔を赤らめ、二本のツノから蒸気を出しながら後方へと倒れた。
――まさか、マオ様が負けるはずがない!
「マオ様!」
マクベスは叫び、走った。同じく側近である道化師のティファニーも必死の形相で倒れる魔王マオのもとへ走り、すんでのところで彼女を抱き抱えた。
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