第12話

先生の言葉が脳に染みていかない。

左隣の席が、気になって気になって集中できやしない。

今日から夏期講習が始まった。

宮本と一緒り

すっげー楽しみでうきうきしてたけど。


昨日の出来事を抹消したい。

初めての告白に何にも考えられなかった。

さやかは無理して笑って、

「困らせてごめん、桃にも悪いことしちゃったな。あとで結果聞かせてねー。」


あの後戻ったら宮本たちはもう居なくて、みんなに聞いたら、慌てて帰ってったって。

メールも電話もしたけど、無反応で。

そして今日この状況。

集中しろったって無理な話だ。

宮本の顔が見えない。

長い髪を下ろして俯いてノートをとってるから。


このままじゃいやだ。

でもなんて言ったらいい?

謝る?

遊びに誘う?

.........。





もういいや、知らねえ!


宮本のノートの端っこに、


おれがすきなのは宮本だから


あーぁ、計画してたロマンチックな告白とは程遠い乱暴な告白の仕方。


だって宮本こっち見てくれないから。

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