一緒にお風呂
ジョン・ライバックは、ロシアンマフィアに殺された『犬』の為に復讐を誓い、次々に敵を容赦なく殺していった。
さすが世界一の暗殺者。
気づけば屍の山が築き上げられてしまっていた。
その奥で佇むマフィアのボス。
『……ジョン、たかだか犬ごときで私の組織を壊滅させるとはな。だがな、これで
『たかだかだと? あの犬は、俺にとって家族だった。貴様が殺したんだ。死んで償ってもらう』
そして、十分にも及ぶ殴り合いの格闘の末――ジョンが勝利。マフィアのボスは、最後に出したナイフで逆に心臓を刺されて死んだ。
……終わった。
エンドロールが流れて、余韻に浸る俺。
夢香もホッとしているのか脱力していた。
* * *
映画館を出た。
外はすっかり闇に染まり、夜を迎えていた。星々が綺麗だぁ。
「映画、最高だったな」
「うん。アクション凄すぎて圧巻だった……」
ストーリーはともかく、俳優のアクションが人類を超えていてヤバかった。恐ろしいまでの無双っぷり。爽快感ありすぎて感動さえ覚えた。
「なんかスッキリしたな」
「そうだね、ストレス解消になったかも」
映画の感想を交えながら、そのままアパートへ戻った。
家に到着して夢香が飛びつてきた。
「ど、どうした夢香」
「お兄ちゃん、今日はありがとね」
「あ、ああ……良いってことさ。俺も夢香とデートしたかったし」
「うん、すっごく楽しかった。だからね、一緒にお風呂入ろっか」
「……お、お風呂!?」
「だめ~?」
そんな、おねだりみたいにされると……俺は弱かった。
「い、いいのか」
「いいよ、お兄ちゃんなら」
「分かった。そこまで言うなら一緒に」
「やった。じゃあ、今すぐ行こ」
今すぐか……心の準備があんまり出来ていないのだが、ここで引くわけにはいかない。そのまま脱衣所へ。
夢香は直ぐに制服を脱ぎ始めていた。
「…………っ」
「お兄ちゃんも脱いで」
「あ、ああ……腰タオルくらいしていいか」
「も、もちろん」
背を向ける夢香は、恥ずかしそうに下着も脱いでいく。
だめだ、これ以上は刺激が強すぎる。
俺も背を向けて服を脱いだ。
それから、しばらくして先に夢香が風呂へ。俺も続いて入った。
バスチェアに腰掛けてくれと言われたので、俺は指示通りに。夢香はボディソープを泡立て俺の背中を洗ってくれた。
「気持ちいよ、夢香」
「良かった。このままお兄ちゃんのこと襲っちゃうかも」
「!? ゆ、夢香。それはダメだ」
「えへへ、冗談だよ」
「じょ、冗談か」
けど、なんだろう。
とても幸せだ。
こんな毎日がずっと続いて欲しい。
心の底からそう思った。
俺は夢香が好きだ。
夢香もきっと同じ気持ちのはずだ。
そうでなければ、一緒にお風呂に入るなんて真似はしないはず。
まだ気持ちを打ち明けてはいないけど、いつかは夢香に告白したい。異性として。
でも、まだまだ俺は彼氏・彼女の関係ではなく、この義理の兄妹の生活のままがいい。少なくとも高校を卒業するまでは――。
◆ありがとうございました!
完結ではありませんが、いったん休止させていただきます。またいつか再開します。近況ノートにてお知らせいたしますので、追っていただければと思います。
続きが気になるという場合は『★』などで応援くださると嬉しいです。
義妹は地雷系女子だけど超絶可愛い 桜井正宗 @hana6hana
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます