19話 俺は戦えないが役に立つ
「
「俺だって好きで暴走した訳じゃ……」
「それは分かってるけど〜今のままじゃ戦えないよね〜」
妹にすらこう言われると立つ瀬が無い……。
「神威くんの今の役割は邪鬼ホイホイよ。自覚を持ちなさい」
「おまっ……そんなゴ○ブリホイホイみたいに言うなよ!」
「例えとしてこれ以上のモノってないでしょ?」
「ぷっふふふっ」
「おい、桜夜笑うなって……」
「だって笑、おかしくって……あんなにカッコ良かったのにっあっははは」
「頼むから止めてくれ」
「ふふっ……そうね。あんまりイジメても可哀想だし……
俺達はそんな話をしてる間に邪鬼やイルと戦った海岸の近く、木々が
「見た感じ邪鬼は居ないけどな〜?本当にここであってるのか?」
「こういう時こそお兄ちゃんの
「そうね。神威くん向こうの木まで行って帰って来てくれるかしら?」
そう言って
「そんなんで出てくんのか〜?」
半信半疑になりつつも
特に何も考えず歩き、木まで辿り着いた。何となく木にタッチしてから後ろを振り返り、蘭子に『やっぱ何もなかったじゃねぇか』と文句を付けてやろうとしたその時。
視界の端に"黒い影"が横切る。
───邪鬼だ!
「うわっ」
思わず情けない声が漏れる。反射で避けようとするが一秒と掛からず体で吸収してしまう。
「まさかこんなに効果があるとは───」
蘭子は自分で提案したくせに驚きを隠せていない。特に確証なく提案してたのがバレバレだぞ?結果的にはそれが正解だったが……。
「よ〜し! じゃあ特訓開始だ〜!」
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