第3話 お兄ちゃん探したんだから!
どこぞのアニメやゲームのような体験をした後家に帰りついた。
未だに夢かと思うのだが、必死に走って汗だくになった服はそのままだし、あの衝撃は確かに本物だった。
あの体験のみで言えば中二心をくすぐられるなんてもんじゃない、正直な感想を言えば。
いいね、いいね、最高だぜぇって感じだったわけだが、素直に喜べない理由が一つ。
楽しみにしていた『とある素晴らしい世界をゼロから始めよう』の放送が終わっておりものすご~く後悔した。(毎週リアタイで楽しんでみていた)
もちろん録画しているので家に帰ったそばから食い入るように見ている。
ドタドタドタッ……ガチャッ
「お兄ちゃん!帰ってきたなら声かけなさいよね!!探したんだから」
いきなり部屋のドアが開いたかと思うと、桜色の髪を揺らし肩で息をした妹が立っていた。
かなり走ったのだろう。汗っかきとはいえ尋常じゃないほどTシャツが濡れている。
また汗で張り付くTシャツから見えてはダメなものが透けている。
目に毒な状況だが、ふと思う。
いつからつけていたのか?成長とは早いものである。
「そんなに心配するなよ。俺は仮にも男だぞ?」
「そういう事言ってるんじゃないの!!」
……かなりお怒りのようだ。これは裏技を使うしかないか……
「まぁまぁ落ち着けって
裏技とはズバリ名前呼びである。普段妹のことは妹としか呼ばないが
実は名前で呼ばれるとデレるのである。
「お、おちつけって~べっつに~落ち着いてるしぃ?」
カラダをくねくねさせる妹は実に嬉しそうである。
とりあえず有耶無耶になったところで『とある素晴らしい世界をゼロから始めよう』の視聴再開である。もちろん妹も一緒に。
見終えたあと、帰るのが遅くなった理由が転校生の神楽寺蘭子に校内を案内していたからだと説明する。
(当然だがあのトンデモ体験は伏せて話している)
これからのことを思うと少し気が滅入るが、あこがれていた超能力?的な力が手に入った(かもしれない)んだからこれを生かさない手はない。と楽観的に考えることにする。
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