番外編第0話 俺も妹も厨二病!
これは運悪く中二病な兄を持ってしまった妹と
本気で世界を
なんやかんやで巻き込まれる仲間たちの物語である……
A.M 07:28
いつものように風がざわついている。
揺らめく視線を遮るための布(愚民どもはカーテンと呼んでいる)の
隙間から、体を照り焦がすような灼熱の陽光が差している。
うだるほどのあつさに嫌気がさしてくる。
一体どれほど体を休められたのだろうか・・・はたはた疑問である。
このように思考を巡らせているとそれを遮る者が一人。
「お兄ちゃんいつまで寝てるの?学校遅刻するよ~」
「耳障りな声だ、早く立ち去るがいい」
「それは通訳いらないかもwwwいいから早く起きなって」
我が愚妹の騒々しい声で覚醒へと導かれる。
「いつもの朝だ。平和だが、刺激が足りないともいえる」
「わけわかんないこと言ってないで朝ご飯食べなって今日は目玉焼きトーストだよ~おいし~よ~」
「あぁ、分かった。すぐに行く」
ふんわりと、焼き立てのトーストと目玉焼きのにおいが鼻腔をくすぐる。
それを自覚したとたんに、とてつもない空腹が全身を支配していることに気づいた。
「やっぱりきついなぁあれ……」
窓を開けて呟いた。その声は暖かい風に流され、誰の耳にも届かない。
中二病の兄は中二病のままなのだ。
今日も今日とて学校へ
朝食を食べ終えた後、高校へ向かう。
退屈な日常だがかけがえのない日々だ。
「お兄ちゃん早くしないと遅刻するよ?」
「刻限が迫っているのか、まだその時ではないというのに」
時計の針がいつもより速く動いている気がする。
「いーから!は・や・くぅ!」
妹が足をジタバタさせて迫ってくる。
「……いいだろう。本気を見せてやる」
(30秒で支度した)
「あぁ~~~っなんっとか間に合った~」
滴り落ちる汗が心なしか色っぽい。
程よく膨らんだ胸が情欲を誘う。
さすがはJK(あぁもちろん略は『ジョーカーキリング』)だけあって破壊力が凄まじい。
意識をもっていかれるかと思った。
妹はふらふらとした足取りで校門へと向かう。
「不甲斐ないな、我が
「なんでお兄ちゃんは汗かいてないの!!ズルいよ!!!」
「カラダの作りが違うからな」
本当に違うのだから仕方ないといえば仕方ないんだが
「もういいよ!授業始まっちゃうからバイバイっ」
そう言って走っていく妹。
「俺も学び舎へと急ぐか……」
空は雲一つない晴天だった。
これから始まる物語を
まるで祝福するように。
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