第17話 今まで通り

 久しぶりに、僕の家に彼女がいる。家に入ると「ゲームしよ」って、前みたいに。不思議と僕も、今まで通りの会話ができていた。

「結局これ、一回もやってないんだよな」

「ほうほう、なら、先にクリアするのは私だね」

「いや、俺だから、これ系は俺の方がうまいだろ」

本当に今まで通り、でも、やっぱり何もかもが違った。ずっと、心がモヤモヤする。本当に、このままでいいのだろうか。本当に。

「なあ」「ねえ」

コントローラーを置き、話しかけると、向こうも、同じことをしていた。

「ねえ、あのさ、色々と考えたんだけど、その、ね」

彼女の声に、その圧迫感に、息を呑むこともできず、僕は黙っている。

「ねえ、どうしたら、また、今までみたいに、戻れるかな。ねえ、私は、どうすればいい」

段々と彼女の声が揺らぎ、その目には、いつの間にか涙が浮かんでいた。

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