第7話 何もいらないのに
あれ、違うのか。親でも、学校でもないのか。えーと、あ、中学のときの、友達、クラスメイトだったやつか。なんで、急に電話なんか。ああ、そういえば彼女と同じ高校にいったんだっけ。だから。まあ、そういうことか。でも、親じゃないなら、わざわざ電話、出る必要ないよな。そのうち、諦めるだろう。そのうち、そのうち、きっと、諦めるだろう。耳を塞ぐように、布団の中に潜り込み、微かに聞こえる音が消えるのを待つ。どれくらいたっただろう、音が止んだ。やっと、やめてくれた。着信履歴を確認すると、何十件と溜まっている。ああ、言い訳どうしよう。こんだけ、ずっと鳴りっぱなしだったら、「寝てた」なんて言えないし。本当に、めんどくさい。
ピーンポーン
「おーい、電話でろー、どうせ起きてるだろー」
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