第3話 もうここにはいない
いつもなら、もうそろそろ鍵のかかった玄関のドアが勢いよく開いて、彼女がくる時間。テーブルには、豪華とは言えないけど、それでも毎年、彼女が笑顔で食べてくれる、そんな料理が並んでる。キッチンの裏に置いてあったキーホルダーを、なんかそれっぽい袋で包んで、テーブルの上に乗っける。二つしかない椅子に座り、一呼吸付く。一呼吸付き、もう一呼吸付き、どれくらい時間が経っただろう。ふと時計を見ると、もう、ご飯は食べ終わる時間だった。テーブルの上に置いてあるものをどけ、冷蔵庫に向かう。いつも通り、それを冷蔵庫から取り出し、テーブルに置く。ナイフで一切れ取ると、正面の席に置き、ボーと眺める。自分の目から光が消えていく感覚がよくわかった。まともに思考することもできず、ただ、いつものようにするだけ、なんの意味もない。でも、僕は、、俺は、笑っている。
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