第2話 いつも通りには戻れない

 一時間程度だった。別に彼氏が出来たくらいで、彼氏が出来た程度で、俺には関係ないはずなのに、いっぱい謝られた。最初は、確かに明るかった。いつも通りだった。でも、話すうちに、だんだんと違くなって、なんか今まで感じたことがないくらい「他人」で、その空気が重たくて、耐えきれなくて、僕は、、俺は、何も言えなかった。だから、彼女も察したのだろう。だから、彼女は謝ったのだろう。それが、余計に辛かった。最後になんとか声に出して、いつも通りの声を出して、「頑張ってね」って、言ったこともないセリフだった。多分、聞こえたかどうかわからないくらい小さい声だった。でも、彼女はちゃんと「うん、ありがとう」って。どんな表情をしていたのか、わからないけど、何を思っていたのか、わからなかったけど、僕と彼女はもういつも通りじゃなかった。

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