君を愛した僕
やみふね ツミ
第1話 僕はもういらないのか
「えーとね、なんと、彼氏ができました!」
靴を脱いで、ゲームをやろうと俺の部屋まで押しかける。それが当たり前だった。今日も、そうなる予定だった。玄関を閉めると、彼女が少し照れながら話しを始める。特に難しい話しではなかった。ただ、彼氏が出来て、その彼氏がかっこよくて、出会いがどうで、なんかすごくて、いい人かなんかで、とにかくなんかそうらしい。まあ、要するに、彼氏に悪いから、うちにはあまり遊びに来れなくなると。別に友達の家に行くくらい、幼馴染の家に遊びに行くくらい、なんて言いかけて、そんなことが口に出てしまったものだから、「まあ、気が向いたらね」なんて気を使わせて、まあ、つまり、俺の幼馴染は、もう誰かの彼女になっていて、僕は彼女の人生の脇役になったということだ。
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