なんのこれしき

足先が冷えて寝つけない

毛布のなかで

両足をくるむようにしても

凍えるばかりで

身体はぬくもっているのに

まるで足先だけが別物みたいに

寒さに侵食されている


不意打ちのように

思いだして囚われて

どくんどくん、と止まらなくなる動悸

丸まって丸まって

ただ自分で自分を

抱きしめつづける

この孤独な闘い


なんのこれしき


夜明けには、まだはやい

心臓と

時計の音だけが聴こえる部屋で

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