第2話 冒険者登録
ミトロセリアに向かって歩いていた俺たちだが、途中で女の子に話しかけられた。
「えっと、どうしたのかな?」
「ミトロセリアに行こうと思ってたの。でも、迷っちゃったから、道を教えてくれないかなって。」
ああ、迷子ね。ここからミトロセリアまではまだ結構あるから小さい子は迷子になっても仕方ないか。
「ミトロセリアだったらこのまま道をまっすぐ行けばいいけど、ちょっと心配ね。カエデ、一緒に付いていってあげない?」
「うん、君もそれでいいかな?」
「……うん。よろしく。」
この子はミアというらしい。ミトロセリアまでお使いを頼まれたらしいが、ベニアドラから結構遠いところまで小さな子に1人で行かせるなんて結構厳しい親なんだな。
それから、ミトロセリアまで軽く雑談をしながら3人で歩いていった。
ミアの速度に合わせてゆっくりと2時間ほど歩くと、少しずつまわりに人が多くなってきた。その多くが武器を持った冒険者や馬車を引いた行商人などだ。
「いやー、やっと着いたな。……遠かったなぁ。」
うん。かなり遠かった気がする。もとの世界でいう俺の家から学校までくらいの距離なのに………。高校で運動部をやめたことが裏目にでたかな。
「お兄さん、お姉さん、ありがとうございました。」
そういってミアは町の商店街らしき方に歩いていった。
それを俺は手を振って見送る。
「じゃ、予定より少し遅くなってしまったけど、冒険者登録を今度こそしようか。」
「うん。確か、ミトロセリアのギルドはこっちよね。」
そうして、町を歩いていくとパッと見の外見はベニアドラにあったものとまったく同じ(らしい)建物を見つけた。そこがミトロセリアのギルドだ。
にぎわいを見せていたギルド内だが、俺らを見つけると一斉に視線が向く。新人は珍しいのか?
「新規登録をお願いしたいんですけど。」
「あぁ、新規登録ね。ならこっちに来てくれ。」
と言って、カウンターに案内される。
「これが登録証だから書いてくれ。そしたら、こっちの水晶でいろいろ確認したら登録完了だ。」
言われたように登録証を書こうとするのだが、問題が。字が読めない=書けない。
「そういえば、カエデって字分からないよね。私が書く?」
仕方ないからアイリアに書いてもらうことにした。名前、年齢、などを書いて、紙を出す。
次に水晶玉の方に行って、説明通りにそれに触れると、水晶からプロジェクターのように空中に画面が表示された。アイリア曰く、さっき書いたことが表になって見やすくなっているようだ。
「個人の登録はこれで完了だ。次にパーティ登録だ。二人で結成ってことで良いか?」
「はい。問題ないです。」
「なら今度はこの紙だ。さっきのように必要事項を書き込んでくれ。」
同様にしていろいろ書いて(もらって)、水晶で内容を最終確認、そして登録完了だ。
最後に冒険者についてなんやらかんやら説明を受けて冒険者登録は完了した。
「パーティメンバーは常に募集しておきたいから宣伝とかできないかな?」
「あそこの掲示板でできるわよ。」
ギルドの壁にある掲示板にはいろいろと紙が貼ってある。掲示板には2種類あって、1つは依頼とかそういうのがならんでおり、もう1つにはパーティの宣伝が貼ってあった。そのひとつにお邪魔させてもらうことにする。
「パーティの今の所のメンバーと、目標なんかを書いて、完成!あとはこれを貼れば良いわね。」
これで、パーティに興味を持った人が直接俺たちに参加させてくれと言いに来ることがあるらしい。
シュネムを潰すための協力者が集まると良いけどなぁ。
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