第4話 協力
後ろから感じた力…それは誰かが放った魔法(?)だった。光の玉が2匹の熊のもとへ飛んでいき頭の上で破裂すると雷が落ちた!
「GYAAOO!」
その雷で熊は絶命し倒れた。またさっきと同じように光になって消え、肉などが残る。しかし、それらは黒こげになっていた。
「……???」
「大丈夫かな?」
わけがわからずにいると、後方から声が聞こえた。振り替えると、鮮やかな赤い髪をして、オレンジ色で紫色のリボンの飾りがついている服にスカートを着た少女がいた。その背中にはコウモリのような羽がついている。
「……あなたは?さっきのはいったい?」
「ちょっ、質問が多いわよ。1つずつ答えると、私はアイリア。この付近を中心に活動している冒険者よ。」
「さっきの雷は?」
「あれは魔法。人の魔力を使って自然現象を再現したものよ。あなたの魔法剣と似てる、といえばわかるかしら?」
一通りの説明を終えると、
「あなた、初心者ハンターよね?だったらもっと手前でか別のもっと安全な場所で狩りをすることね。それじゃ!」
と言って去ろうとする。それを俺は止めた。
「待ってくれ。あの、あなたは今一人でしょうか?ならば、俺と一緒に来てくれませんか?」
前の世界で会話とかをあまりしたことがなかった俺にとっては大きな一歩だ。見知らぬ人、しかも異性に話しかけたのだから。
「うーん……まぁ、いいわよ。あなた一人だとまた無茶しそうで怖いしね。」
少しイラッとくる場面もあったがそこは我慢して、アイリアさんと狩りをすることになった。彼女も一人だったらしく仲間が見つかってよかったとのことだ。
「俺は楓。どうぞよろしく。」
「カエデね。よろしく。」
そこからの戦いは順調だった。俺が近距離でアイリアさんが遠距離とそれぞれ役を割り振れたので連携をとりやすかった。アイリアさんは魔法が得意なようで主に風と雷の魔法をよく使っていた。
雷魔法は普通に討つだけでなく球体にして弾幕のように放ったりドーム状にしてバリアのように使ったりしていた。なかなかの威力らしく、さっきのよりも大きい5メートルサイズの熊を3発ほどで絶命させたこともあった。。
風の方は見えないカッターのようなものを飛ばしたり、竜巻で魔物を上に吹っ飛ばして落ちてきたところを俺の剣で突き刺す、という使い方をしたりした。
というような感じで熊をさらに5匹、その他を十匹ほど狩ったところで時間が遅くなってきたので切り上げることにした。
「さて、今日はこんなものかしらね。」
「それじゃあ、戦利品の山分けをしましょうか。」
本日の成果
大熊 7匹
巨大熊 2匹
炎蜂 10匹
炎蜂とは人の顔より少し小さいくらいの大きさの蜂で火をまとっている。魔物のくせに火魔法を使える珍しいものだそうだ。
「大熊が奇数だから分けづらいな。アイリアさん、どうしましょうか。」
「適当にだいたい1/2に分けましょう。きっちり分ける必要はないしね。」
「アイリアさん、今日はありがとうごさいました。」
「いいのよ。新人さんが死んでしまったら冒険者業がなくなってしまうかもしれないからね。それは私としても困るから。それじゃあね、カエデ!」
「さようなら!」
アイリアさんと森の入り口に出た辺りで別れる。彼女がいなかったら俺は恐らく目的を果たさずして2度目の命を落とすところだった。……彼女なら、協力してくれるだろうか。そう思いつつ、町へと戻るのだった。
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