第2話 能力の獲得
目を覚ますと、家でも学校でもなく一面水色の神秘的な空間にいた。鏡のように光る板が何枚も浮かんでいる。キョロキョロと空間を見渡すと、奥から協会のシスターのような格好をした女性が歩いてくるのが見えた。
「残念ね。まだこんなに若いのに。」
(何を言ってるんだ?こいつは。)
あの猫獣人への怒りで頭が一杯だったため、心のなかでとはいえ、ついついきつい言い方をしてしまった。すまないなと心で思っていると、女は
「そんな言い方ってある?!一応あなたのことを心配しての発言だったのに……。あなたは地獄行きね。」
「は!?ふざけんなよおい!」
「一番キツいところにしようかしら。」
「ああもう!話を聞いてくれ!本当にすみませんでしたあああ!!!」
上半身をほぼ180°倒すようにして謝った。なんて無情なy…ゲフンゲフン。女が睨んできたのでこれ以上は言えない。
「はぁ、まあいいわよ。では改めて、私はあなたの世界から来た死者を導く神よ。あなたはどんな来世をお望みで?もう一度同じ世界の別の人間として生まれ変わるか、別の世界で同じ人物として生きるか。はたまた別のものか。」
「俺の死に際を知ってるか?」
「ええ、知ってるわよ。それに、あなたの心の中を読めるから来世をどうしたいのかもなんとなくわかるわ。」
そういうと、神は空間の奥に消えて水晶のようなものを取り出してきた。
「あなたはあの男に復讐をしたい。そうでしょ?ならばこの世界に転移することをおすすめする。」
水晶の中を覗くと、俺が住んでいた町とはまったく違う町並みが見えた。
「なぜ?」
「ここならあいつに抵抗しうる力を持つ者がたくさんいる。そういう場所を望んでいるのでしょ?」
「別に仲間なんかいなくても……」
「無理ね。あの男、アトラスはありとあらゆる異世界をすべて自分の物にしようとしている。そんなやつに一人で挑むなんて無茶よ。」
「わかった。つまりあんたはこの世界で仲間を募り俺たちにあのやろう、アトラスを倒してほしいわけだな。」
「まとめるとそうなるわね。」
いいだろう。この神の頼みを聞けばついでに俺の目的も達成できる。一石二鳥だ。
「わかった。それで、俺はこの通り生身の人間だ。そんな強いやつのところにこのまま行かせるなんてことはないよな?」
異世界転移の物語でよくあるやつだ。転移した人はチート能力を持ってるぜ!ってやつ。それはあるのだろうか。
「そんなわけないでしょ?今から力、その世界で言う『スキル』を授ける。うまく活用してちょうだいね。そして、アトラスを討ち滅ぼしてちょうだい。」
「ああ、任せろ!」
そして、俺は神からスキルを与えられた。
俺のスキルは『
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