10 守ってあげるのよ



あたしのお父さんは写真家。






世界中を飛び回っていて、


一緒にいられなかった。






あたしの死んだお母さんと、




秋人のお母さんのナツナさんが

親友だった縁で、




お父さんが仕事の間、

秋人の家に預けられた。







奈紘さんは本当の娘みたいに接してくれた。





「秋人は紗良のお兄ちゃんなんだから


 紗良のこと守ってあげるのよ。「」





これが、奈紘さんの口癖だった。







だから、

手を繋ぐのも一緒にいるのも当たり前。







ずっと一緒だった。







ずっと、守ってくれてた。




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