3.もう助けは来ないんだよ!


「あ?」





連山高校の皆さんが、

勝手に勘違いしただけだよ。




あたしは知らない。







「だから!


あたしは秋人の彼女じゃないの!」




なのに誘拐される・・・

あたしってなんなんだろう。






「秋人はあたしのこと好きじゃないから、




助けになんか来ないよ!




だから早くあたしを離してっ。」






あたしと秋人の間には、




幼馴染みという微弱な繋がりしかないの。








「うるせえっ。




なんにせよ桜坂の奴等は


お前を助けに来るんだよっ」




と、血走った目で、連山の番長は叫んだ。








「だからぁ、


来ないっていってんでしょ?!」






きっと来ないんだよ。もう。




泣きそうになりながら、言い返した。







連山高校に誘拐されてから、




もう一時間近く経っていた。




こんなに長い間捕まっているのは初めて。






いつもなら、もっと早く助けてくれるのに。







ホントに


今度こそ助けてくれないのかもしれない。





半ば諦めかけたその時。







ガンっ






倉庫のドアに




何かがぶつかる音がした。








ガン、ガン、ガンっ







連山の奴等の間に緊張感が走る。









あたしは唇をかんだ。







ガンっ!







扉が壊された。







そこには秋人と、




桜坂の仲間たちが立っていた。


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