第5.5話
ベンチャー高原から帰宅し、保護した獣人の子は病院にホムスさんはあの一件以来「鍛え直してきます」と置き手紙を遺して忽然と消えてしまった。母さん達は何か知っている様子だったが教えて貰えなかった
ホムスさんは大怪我を負ったらしいが、父さんの回復術で一命を取り留めたが俺がもっと強ければホムスさんも・・・・
べンチャー高原とホムスさんが消えてから3ヶ月が経ち、気付けば一人で本を読むのも習慣化した。俺の面倒を見てくれているのはホムスさんの後任で赤髪のウェイエアさんが専属メイドになった。だが、今は書斎で本を読みホムスさんにまた会った時に「また、一緒にいて欲しい」って堂々と言えるくらいに強くなってやる
「アーサーちゃん」
「どうしたの母さん?」
珍しいな母さんが書斎に来るなんて、ホムスさんがいないから一人で勉強するのが通常運転になったし、書斎に来る人なんて食事の時間に呼びに来る人くらいだ。
「ホムスちゃんから手紙が来てたわよ」
「ホムスさんから!」
「ええ、ホムスちゃんも特訓しまくってるみたいよ」
母さんから手紙を受け取り胸ポケットに入れておく。
「それと獣人の子が目を覚ましたみたいよ」
「健康状態はどんな感じ?」
「今は軽度の栄養失調と擦過傷以外は問題なしみたいね。でも」
「でも?」
「あの子記憶喪失みたいで出身は何処なのか、なんで逃げて来たのかがわからないみたいなの。戸籍にもあの子が名乗ってる“アルテミス”って名前もないし・・・・で、孤児院に預けようかとも思ったんだけど、本人がそれを拒否しちゃってね〜」
「どうするの?孤児院が無理なら僕達で里親を探さなくちゃいけないんじゃ」
「まぁ、それが最善策なんだろうけど。なんせ素性が不明だからね・・・・ということで、ウチの養子にすることにしました〜」
あ〜養子ね・・・家族が増えるよやったね!って違うわ‼︎
「養子にするの⁉︎」
「ええ!もう、手続きも済ませて正式な家族になったのよ〜入ってきて良いわよ〜」
書斎のドアの端からピンと張った犬耳が見え隠れしているが肝心の本人がいない
「ほ〜ら、恥ずかしがってないで出て来なさい」
「え、でも、ロザママ・・・・」
「大丈夫よ〜アーサーちゃんは貴方をアルテミスちゃんを無碍に扱わないから」
母さんが説得し終え声の主が姿を現した。気の強そうな切長の水色の瞳、灰色がかった髪と犬耳犬尾を持つ獣人の女の子が出てきたが、緊張からか耳は立ちっぱなしで尻尾は垂れている。
「アルテミスちゃんだっけ?初めまして、僕はアーサー・・・・アーサー・レイヴンだよろしく」
「えぇ・・・・・・初めまして・・・・私はアルテミス。これからよろしく・・・・アーサー」
アルテミスと握手をし軽いハグを交わす。この世界でも挨拶としてハグをする文化がある・・・・最初は慣れなかったけど
「レイヴン家にようこそ・・・アルテミス」
「ありがと・・・これからよろしくね」
「これで顔合わせは済んだわね!二人とも可愛いわ〜ハグしちゃう♡」
「「苦しい」」
母さんからの熱い抱擁で必然的にアルテミスと距離が近くなる。なんかに似てるんだよな〜・・・・・あっ‼︎
「ハスキーだ」
「ハスキーって何よ?」
「いや、気にしないで大丈夫」
「変なの・・・本当にアーサーって可愛い顔してるわね」
「だいじょーぶッ!アルテミスちゃんだって〜ちゃんと美少女よ〜もちろん、アーサーちゃんも」
褒められてる筈なのにミリも嬉しくない・・・・アルテミスは可愛い系と言うよりかは、かっこいい系だよなー。俺もカッコイイ系フェイスがよかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます