物語のその後。
木田りも
物語のその後。
小説。 物語のその後。
あらすじ
小説などが終わった後、絶望の世界になったこの場所を心臓が止まるまでは見続けなければならない。それが生まれてしまったものに課せられてる問いだろう。(これは消します)
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希望も何もかもない僕は、腐った、腐り尽くした世界を生きるしかない、
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生きていた世界がある。
そこは、多くの人が生きていて、毎日の生活があって、変わらない毎日を過ごしている。これから訪れる冬という存在がより憂鬱にさせる。僕の物語は秋で終わっているからこれから迎える冬や、これからの四季には見向きもされない。通行人Bのように生き、車に轢かれる野良猫のように死んでいくだけだ。
あなたと別れた時、途端にこの世界が崩れ始めた。というより気づいた。全てハリボテで幻で物語であったことを。あなたから別れを告げられた時、それを認められなかったのは、たぶんまだ終わるには早すぎたからだと思ったからだ。僕は希望というものがないということ、でもまだ生きているということ、生き続けなければならないこと、そして、純愛なんてクソ喰らえなんて、思っていた。
(僕にとっての物語はとてもありきたりだが、君との出会いから始まる。)
しかし、登場した空間は残り続けてる。時折、不意にその空間を見つけると涙が出そうになったり、時間が逆行しないだろうかと思う時に僕はまだ人間なんだと感じる。しかし、もう手遅れなのだろう。僕はクズに憧れ、クズになってみたかったが、まだ唯一残っている人間らしさを殺したくないとも思った。僕はまだ人間として、生きていて良いだろうか。それは僕にしか決められない。
(物語の終わりは不意に訪れる。いつだって別れは思いよりも先にやってくるという映画の言葉を本当に実感した)
・荒んだ記録。
今から半年前辺りまで、それこそ物語が終わってから4ヶ月ごろ辺りまでは、僕は少なくとも自分から見てまともな人間ではなかった。真顔を顔に貼り付けたように感情が動かず、夜は風俗を使い漁っていた。溜まってもいない性欲を今会ったばかりの他人にぶつけてみた。射精する気もない僕はしばしば女を困らせたが、その場で申し訳なさそうな顔をする女に向けてあなたのせいじゃないよ、とありきたりな言葉をかけてあげることがどこか日常を繰り返してるようで安心していた。
あなたを忘れるために、あなたのために小説を書いていた時期を忘れるために、あなたなんかいなくても生きていけると世界に主張するように僕は、たぶんあの頃の僕は僕なりに足掻いていたと思うのだ。そして、いま御託を並べているのもそれと同じ理由だと思うのだ。
きっと僕はあの頃から何も変わっていない。
夜の街を歩いていると安心する。このどこかにはどうしようもないクズだったり、世間から見て僕より不幸な人もきっといるはずだ。上を見てこうなりたいああなりたいというより、下を見てこうはなりたくないと思うモチベーションが上回っている。
(物語も、不意に別れる。
僕は、僕と別れる。)
言葉が漂う感覚を味わったことはあるだろうか。僕は君から別れを告げられた時、まだ別れたという気にはならなかった。僕は君と離れればクズな人間になる。そんな人間が君と一緒にいたという履歴が残ってはいけないのだ。たぶん僕はあの時に生まれ変わろうとした。君を守ろうとした。この世界から疎外される存在になって世界の敵になろうとした。でも僕は所詮自分が大事な臆病者だった。だから僕は何も捨てられていないし、希望を見つけられていないのだ。だから僕として発した本当の言葉を最後に漂わせる。その漂いは、空気の流れ、音の振動のように、風に吹かれて、いつかあなたに、とても最悪な形で伝わってほしい。
綺麗に見えていたはずのズボンが実はシミだらけだった。僕は途端に僕という存在がこの世に存在してはいけない異物だと思った。
僕は、みすぼらしい人間として、善を着ている主人公の物語の端に出てくる人間だ。こうして僕はどこかの登場人物になる。点と点が線にならないと僕は生きていられない。このように変な日本語を使わないと自分の思いを伝えられない僕に嫌気が差す。まるで作り上げた自分を壊すように、試すように。
あと、僕が本当に今でも心残りなのは、どうしようもないクズになってでもあなたを失わない方法を考えなかったことだ。きっと今も物語が終わった後の、名前もないかつて主人公だった男はのうのうと我が物顔で、くだらない街に、きっとほんの少しの希望を探しながら歩いてるのだ。
・最後に渡そうと思っていた手紙。
お仕事お疲れ様。
きっと、最近疲れてるよね。だから、僕も自分のことを、しっかり頑張ろうと思ってて。
何が言いたいかって言うと
、君にはしあわせになってほしいんだ。手紙で書いてないで直接言ったほうがいいのだろうけど、君にはしあわせになってほしいんだ。重くならないように、良い距離感のままいたくて、でもやっぱり、どうしても君にはしあわせになってほしくて。
どうしようもなく、しあわせになってほしいんだ。理由もないよ。
あと、やっぱり、やっぱり、僕は今でも、、(ここで君から別れを告げる電話がかかってきて、手紙を途中で中断する)
〜〜〜〜〜
君が好きなんだと思う。
おわり。
あとがき
前にも書いた気がするが、世の中が落ち込んでる時に、世界はコメディを求める。
反対に世の中が活気付いている時は暗い話やシリアスが求められる。という話をどこかで聞いた。
その時に人間はやはり、ないものねだりの究極形なんだなと思った。
今日(2022/11/11)今、まさに変わった価値観がある。
この小説を投稿しようとしたその日、半年ぶりに会った方がいた。
その方が半年前と何も変わらないように接してくれた。こんなに迷惑をかけた僕を。
何もかも捨てようとした僕を。
まるで生きていて良いと言ってくれたような感じがした。元気そうで良かった。また、待ってると言ってくれた。
つくづく良い人たちに囲まれた。とてもしあわせなことだったし、話せて良かったと本気で思った。こんなに暗い話が書けるのも、そんなふうに見ててくれる方々がいてくれる安心感なのかもしれないと感じた。
これからも頑張ろうと思った。
読んで頂きありがとうございます。
心より感謝致します。
これからもコツコツ頑張ります。
物語のその後。 木田りも @kidarimo777
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