第25話 ラプトル族襲撃【2】

 ラプトル族の動向は、かつて辺りをテリトリーにしていたアスカ族が勝手知ったるホームベースと探ってくれてる。


「10匹一組デ、奴等狩リヲヤッテマス」

「大酋長様!最初奴等狩リシタ獲物全テ食ッテイマシタガ、面白半分カハラワタノミ食ッテ放置シテマス」

「腐ッタ異臭ガ充満シテマス!」

「数限りある資源を無駄にする行為許せんな!!衛生面からもラプトル族は廃除する必要がある」


 猿人達石の矢尻から青銅の矢尻に変えて、狙撃の威力が増している。

「ゲンジ!各種族に伝言頼む!明日ラプトル族討伐に向かう!弓矢使い精鋭の参加を要請する!」

「弓矢使イ精鋭ノ、ラプトル族討伐参加要請伝言シマス!!」



 見掛けた酋長に明日のラプトル族討伐を知らせ、ヤマト族集落に帰った。


「緊急集合!!」

 私の呼び掛けに主だったメンバーが集まってきた。

「明日ラプトル族討伐に向かう!戦える者は全員参加するよう!

 ただし、相手は固い鱗の恐竜!投石より青銅矢尻の弓矢が効果的と思う

 従って武器は全て青銅製にする!!スミス大変だろうが宜しく!」

「お任せ下さい!」


 モロス族のロックがやって来た。

「大族長アミ様!モロス族200名ラプトル族討伐に参加させて下さい!

 奴等は我々モロスより強い!しかしアミ様が与えて下さった武器を使えば我々の方が強い!」

短槍たんそうは使いこなせるようになったか?」

「はい!我々に合った強力な武器有り難う御座いました!皆巧みに使って居ります!!」

「戦闘参加感謝する、しかし無理はするな」

「はっ!心得て居ります!」



 翌早朝ヤマト族からは、投げ槍使いの私、同じく投げ槍使いのサムソン、青銅の大剣使いのシルク、弓矢狙撃のジャミにヤミ、弓狙撃隊長アイオンと精鋭隊50人、短槍使いヨダ、ロイ、リア、カム、隊長がスミスの61名。

 少数のようだが、武器が優秀トカゲごときに遅れは取らん!!たぶん……

 ヤマト族はなぜか女性が多い、以前は男女差無く狩りを行って居たが、最近はより美味しい料理工夫や簡単な農作業それに土器等の生産に力を使い、殆どの女性が闘う事をしなくなった。


 人数的に不安を感じながら猿人の集落に向かった。

「わぉ!!」

 見渡す限り、遥か向こうまで弓を持った猿人で埋め尽くされていた。

「大酋長様待ッテタ!久シ振リノ戦、楽シミデス!!」

 ピテカ族のジャワが代表で挨拶して来た。

「ジャワを始め各種族の精鋭達!これからラプトル族の殲滅に向かう!仲間を射つ誤射に注意して戦ってくれ!!」


 池の渕ではロックを先頭にモロス族精鋭200人が待っていた。

「大族長様、お待ちして居りました!!」

「攻撃は主に弓の狙撃隊が行う!ロック達は私達と同行、抜けて来たラプトルを殲滅させる!!」


 猿人達は森を熟知してる、西の果て大地を左右から攻撃出来るように、二手に散会して進む。

 私達はすこし遅れて中央を進んだ。


 早くも森の奥から「ギャギャ!ギュギュ!!」と、ラプトルの悲鳴らしき物が聞こえて来た。

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