第23話 モロス族ってどうなってるの?

 牛肉の塩焼きの旨さに驚きながら、もきゅもきゅ肉を食べるヌイグルミの様なモロスを観察していた。

 フワフワの毛がミッチリ身体全体をおおっていて、兎やいのししより毛のはえ方が実態を大きく感じさせている、例えるならラッコみたいな水棲哺乳類の毛並みかな?

 平たい尻尾も泳ぐのに適しているように思える。


⦅族長、あの森にモロスが数人隠れて居るぞ⦆

 アイオンじいちゃんが小声で耳打ちしてくれた。

 凝視しないよう、不自然にならないよう確認してみた。

⦅モロスの子供?⦆

⦅そのようじゃな、ちびっこいのが2~3人に護衛の大人が一人居るのぅ⦆


「ロックさん、お仲間が参加したそうにこちらを見てますが、放置されて良いのですか?」

 モロス族のリーダーと名乗ったロックにこっそり言ってみた。

「えっ?おぅ!忘れていた……おーい!ローザ!子供達を連れてこっちに来てくれ!」

 森からローザと呼ばれたモロスとチミッコい子供のモロスが3人やって来た。

「大酋長アミ様!これは私の妻ローザと私の子供達ミツ、シング、リングです、子供達は玉子から羽化したばかり、まだ肉は食べれません」

(玉子から羽化?やはり哺乳類では無く爬虫類か)

「…まだ母乳のみの乳飲み子です」

「ぼ、母乳?モロス族は恐竜の谷の仲間だろう?」

「残念ながら私達は竜から進化したようです」

「恐竜が母乳で子育て?モロス族ってどうなって居るんだ?」


 ※カモノハシと言う哺乳類は玉子を産んで母乳で子育てします、同じ様に卵生母乳育成の爬虫類が、かつて居たかも知れません。


 安心した様で、ロックの妻ローザは3人の子供達に授乳を始めています。

 座った姿勢で両手に子供を抱き、乳を飲ませてる。

「大酋長アミ様!私達モロス族も配下に加えては貰えないでしょうか?竜の裂け目にはまだ仲間が隠れ住んで居ります、安全で豊かなこの地に仲間達も住まわせては貰えないでしょうか?」

「大酋長権限で即答しよう!モロス族を一族に加える事を約束する!!」


 恐竜の谷に流れる川、多くの恐竜の水飲み場である。

 その川原に巣を作り隠れ住むモロス族が200人程居るとか、会話から知能が高そうなモロス、恐竜から進化しただけあって男女共に力も強い、凄い戦力になりそうだ。



 ╳╳╳


 第2部 大族長への道終了です。

 次回は第3部 建国アミ王国です。

 特種過ぎる設定につき、読者様も非常に少く読んで頂けると嬉しいです。

 欲を言うと創作意欲に繋がりますので、ご意見ご感想頂けると更に驚喜します。

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