第20話 青銅の武器
今日の晩飯は、猪の味噌煮、芋と栗の煮物だ。
味噌煮が旨いのは勿論だが、芋と栗の煮物も少しの塩味が甘味を引き立て凄く旨い。
食材の関係も有るが、一族皆が同じ物を全員で食べる様にした。
肉などは、特に新鮮な内に消費する、食材を無駄にする事の無い方法だ。
シルク達族長輔佐が、献立を毎日工夫してくれて居る。
ピテカ族達も、調理の概念が浸透し、夕食献立をシルク達に聞きに来る様になった。
天地返しした時点で、ドングリ味噌の量産を始めて居る。
後は醤油だけど、味噌を仕込む時アミノ酸になる物を加える。
試しに一壺だけ、干し肉を入れてみた。
強制味噌作りの時の雑学、母さんに感謝だね。
ドングリ醤油?美味しい醤油になる気がしないよ。
食事が済み、皆が武器の手入れを始めた。
「族長様、これ献上します」
手先の器用な少年と、評判になっているスミス少年が黄金色に輝く槍を差し出した。
「綺麗な槍だね!」
「綺麗だけじゃ無いよ、石槍より遥に丈夫だ」
「黄金の槍か…戸田彩弓の頃には、考えられない贅沢品だね…スミス!ありがとう、大切に使うね!!」
スミス少年は、花が咲いた様な笑顔になった。
獣の血で腐蝕し、青緑の青銅色になる遥か先まで、アミは金の槍と信じて使ってた。
「これは凄い!」
青銅の槍は、獲物に深く突き立ち、猟の取りこぼしが無くなった。
倒しきれなかった獲物に、仕止め用の青銅剣も、石のナイフなど比べ物にならない切れ味威力で、能率的な狩りが出来る様になった。
余暇が増え、住み良い住居の工夫、使い易い日用品の開発が進み、獲物等の運搬車、荷車まで出来上がった。
「あれ?なんか、増えてない?」
今日も楽々狩り、獲物を満載した2台の荷車を引き、猿人達の集落中央道を通って気付いた。
「この辺りに、集落は無かったよね?」
アスカ族、酋長ゲンジを見付け聞いてみた。
「コレハ、大酋長様!アスカ族集落ヨリ西ノ集落ハ、全テ蛮族スツル、ニ追イ立テラレタ難民デス」
「スツル族の規模は?勢力圏は?」
「我ラガ、立チ去ッタノデ、西ノ大地全テヲ支配シテ居リマス」
「脅威は、早目に取り除く必要が有るな、戦になったら協力してくれ!」
「ハッ!戦準備イタシマス!!オーーイ!皆ノ衆!!………」
ゲンジ酋長が叫びながら、走って行った。
「闘う気満々だね…」
「族長、現状偵察必要だと思う」
「そうだね、偵察より難民に聞き取り調査、その後大部隊の討伐隊で奇襲攻撃が良いと思う」
「族長!準備をして、明日夕食を大宴会にして、一気に聞き取り調査しては?」
「招くのは、各酋長と補佐、難民全員で準備出来るか?」
「「「「「「「「「任せて!!」」」」」」」」」
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