第19話 母親が相談に押し掛けて来た
青銅武器が量産されて居るころ、アミは大忙しだった。
大酋長は、知力腕力統率力に優れた者とされる。
ここ最近アミに、猿人達の相談が後を絶たない。
相談は皆同じ、我が子の発育が遅過ぎる!と新生児の母親が押し掛けて来る。
相談に来る猿人達の新生児は、全員人に進化を遂げた赤ちゃん達だった。
「大酋長様!今マデノ子供ハ、10回日ガ巡ルト立ッテ歩イタノニ、コノ子ハ、ハイハイモ出来ズ寝タキリデス、ドウナッテ居ルノデショウ」
「大丈夫心配せず気長に子育てして、この子達はユックリ育って、凄く長生きする子達!きっと群れの指導者に育ちますよ!」
相談に来た母親全員に、同じ様な事しか言えない。
実際私の知ってる新生児は、3ヶ月位で首が座り半年位で寝返り、7~8ヶ月位でハイハイ、1年以上経って掴まり立ちする。
進化した新生児達は、もっと早く育つとは思うけど、ハッキリした事が言えない。
アミは考えて、木材を蔦で縛り箱型の建物を指導し、大型の建物を作り、人に進化した新生児を共同で育てる施設を作った。
一番速く掴まり立ちしたのは、ペキネ族酋長ペキの息子だった。
立ったのは、生後100日だった。
「3ヶ月程で掴まり立ちって、ヤッパ早いわ!」
「ソウデスカ?遅ク感ジマスガ?」
「ペキ!おめでとう!ペキジュニア、もう大丈夫だね!」
「オウ!命名アリガトウ大酋長様!!『ペキジュニア』良イ名ダ!!」
思わず言った、ペキの二世『ペキジュニア』が、正式名になってしまった。
最初の例100日を目やすに、共同子育てが始まった。
ドングリ味噌が出来上がった。
壺一つ分仕込んだはずが、発酵して増えて出来上がったのは、壺二つになってしまった。
「倍になって、程好い塩味」
思ったより、美味しい味噌が出来上がり、ジャミとヤミ、シルクに手伝って貰い、猪肉の味噌煮を作ってみた。
猪肉って、煮れば煮るほど柔らかく煮える。
出来上がりは、凄く良い匂い、味見をする。
「甘味が無いから、チョッと味噌辛いかな?けど、完全な和食が出来た!!」
シルクにジャミ、ヤミにも好評だった。
「「「族長!これは美味しい!!」」」
また族長が、面白い事やってる!!と、皆が遠巻きで見てた。
匂いに釣られて、だんだん近付いて来て、ヨダレ垂らしてる。
「この料理は、味噌煮って言います!味見をして、各自真似をして美味しい味噌煮を作って下さい」
「「「「夕食はミソニにします!!」」」」
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