第16話 ドングリ味噌作り

「集まって貰ったのは、ドングリの皮剥きをしてもらう為だ!」

「「「「「「「「「「「「任セロ!!」」」」」」」」」」」」

「皮剥き済んだ、ドングリの実はこの鍋に入れてくれ」


 今準備した素焼きの鍋、物凄く苦労して完成させた物、サル達に粘土を調達させ、簡単な皿から始めた。

 素焼きの段階で弾けて砕ける、乾燥させて素焼きにしないと、何度やっても同じと分かったが、乾燥中にヒビが入る。


 失敗を繰り返し、粘土を確り練って素焼きの皿は上手く行った。

 紐状に細く長くした物を、くるくる巻いて坪の形にして、でこぼこを潰して厚さを均一にし、乾燥させて素焼きにする。

 皿の素焼きが完成してから、壺や土鍋が出来上がるまで、更に試行錯誤繰り返し、やっと土器を完成させた。縄文人弥生人偉大です。


 自慢っぽく言ってるけど、私の指導で素焼き土器を成功させたのは、ヤミのグループで彼女達6人に、土器作りは任せる事にした。

 情けない事に私を含め、他に土器を成功させた者が居なかった。


 ドングリの剥き実が煮だってる、物凄い灰汁あくが出てくる、丁寧に灰汁取あくとりし柔らかく煮えた。

 革製のミトンを両手に嵌めて、土器を火から持ち上げる。

 木の蓋をして、煮汁を流す。

 一個取り出し、塩を着けて食べてみた。

「成る程、少し渋味があるけど食べられるね」


 凡そ1㎏のドングリの剥き実、塩は200㌘だけど多いのは問題ない、バサッと放り込みこん棒で潰しかき混ぜる。

 これ程塩を入れたら、腐る事はないと思うが、上手く味噌になるかはお楽しみ。

 途中、坪の上から味噌団子を作り、順に別の坪に叩き混む、天地返ししないといけないけど、ちゃんと発酵したらの話だ。


 サル達群れごとに焚き火をし、ドングリの剥き実を煮てる、灰汁取りを教えて回り、殆ど煮上がった。

 ミトンを嵌めた私が火から降ろし、蓋をして煮汁を流す。


 ピテカ族の酋長のみ、特別に器によそおい、塩を一摘まみ入れてかき混ぜ渡してやった。


 ジャワは押しい抱く様に捧げ、恐る恐る食べた。

「大酋長様!!コレハ、旨イデス!!」

 ドングリそのまま、ボリボリ食べるよりは増しかも、でも驚く程旨くはないはず…塩味に誤魔化された?


 しかし、サル達の尊敬は増した様だ。

 ヤマト族も、最近料理の概念が根付いた所、サル達頑張れ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る