第13話 異種族襲来
小屋を建てると言っても、誰も想像出来ず、私の指示待ちみたい。
肝心の私は、勿論自信を持って言える!「建物、建てるなんて無理!元普通の女子高生に期待して貰っても困る!」
色々思い出し、考えたすえ短い灌木を切り倒し、斜めに組んで円錐形のテント風掘っ立て小屋に最終決定、持ち帰ったナタや斧が役立った。
皆で取り組み、
テントと言えば格好良いが、円錐に組んだ木の隙間を葉っぱ付きの小枝で埋める、見た感じ藁で出来て居たら縄文住居かな?
相当みすぼらしいけど。
定住する事のない放浪狩猟生活の間は、男女全員で狩りをして、獲物の肉を銘々が切り取り食べる状態では、料理の概念が無かった。
従って、家が無ければ当然家事仕事もなかった。
存在しない仕事、今まで家事の役割は無かった。
女衆は、猟に出掛け男衆の居ない集落を守る様に進化し、男衆は効率良く獲物を狩れる様に進化して行く、男女の進化の遥か前段階である。
猟に不向きな、男達と女達が一応家事仕事をする。
猟が出来る男女が、獲物猟に出掛ける。
集落が出来たら、役割分担は自然に出来上がった。
家事仕事に残った男女と、先々代族長達老人も、各種理由で猟に不向きなだけで、原始人なので闘えない人達ではない。
家事仕事残り組み男女は、ジャミやヤミの様に槍を投げる筋力不足の者が殆ど、弓と矢を渡し、余暇は弓の練習に当てさせた。
高齢の為筋力が衰え、石斧や投げ槍が使えなくなって居た、先々代族長アイオンが、一番初めに弓の虜になり、練習三昧で指に血豆が出来る程練習に打ち込み、あっと言う間に目を見張る弓名人になった。
アイオンが、楽しそうに練習する姿に、居残り組み全員弓の練習に励む様になった。
ミアの率いる一族は、平面顔の頭髪は濃い茶髪、どこか東洋人っぽい風貌をしていた。
肉食主体の食生活改善の為、元気の元炭水化物探索、池の回り湿地帯に自生する里芋っぽい物を発見採取して帰る。
私がシルク達と採取した、里芋を見てアイオン達年寄が教えてくれた。
「族長!それは手や口や喉が、痒くなる毒ですぞ!」
「皮を剥くと、手が痒くなるね、生で食べると口がカブレ喉がエグい、でも調理すれば美味しい芋だよ」
戸田彩弓だった頃、がさつな娘!せめて料理位出来る様にって、母さんに手伝わされた、皮剥きなんて御手の物だよ。
大中小の鍋にフライパンがセットになった、キャンプ用コッフェル、持ち帰れたのは2セット。
全てを使い芋の煮っ転がしを作った。
お肉は鶏肉がベストなんだけど、最近弓矢の狩りで兔肉が豊富、小間切れにして、里芋と一緒に煮込んだ。
醤油や昆布出汁じゃこが有れば、もっと美味しく出来るのに、無い物ねだりしてもしょうが無い、岩塩で我慢する。
初めての煮物、皆おっかなビックリで眺めてる。
進んで手伝ってくれる、シルク、ジャミ、ヤミが有り難い。
その内、家事仕事担当男女に、料理を仕込む必要が有るな!
狩猟組みが、野牛2頭狩って帰って来た。
あの焼き肉以来、皆牛肉大好きになって、ヘラ鹿や猪、熊なんて見向きもしないで、ひたすら野牛を狩って来る様になってしまった。
里芋と兔肉の煮物に、牛肉の塩焼き!
未だかつて無い、最高の晩飯!!
見た事の無い邪魔者がやって来た。
「コノ地ノモノ全テ、我ラ『ピテカ族』ノモノ!!食イ物ヲヨコセ異形ノ蛮族ドモ!」
「族長!奴等は日の沈む大地の果て、木の上に住むサル達だ」
サムソンは、サル達を知っているようだ。
言葉を話すサル達め!食い物の恨み、思い知れ!!
空腹の私は、尊大なサルに怒りを抑えきれなかった。
「偉そうなエテ公共!私は『ヤマト族』族長アミ!サル山のボス出てこい!私とタイマン張れ!!」
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