第2部 大族長への道

第12話 この地は一族の物

 持ち帰った物の、お披露目を始めた。

「取り合えず、使い易い火着け道具、ライターを配るよ!」

「「「「えっ?俺達にくれるの?」」」」

「20個有るから、族長サムソンと族長婦人に一ずつ、私が一個持つね、それからシルク、ジャミとヤミにあげる、残り14個は欲しい人取って!」


 見てると序列があるみたい、流石原始人だね、食料採取が巧みな男女が、群がり取って行った。


「今ライターを手に持ってる人注目!!ライターはこう握って、ここを親指で押す!」

 炎が吹き出した。


 銘々手持ちのライターを、操作してる。

「「「「「「「「「「おぅーーーーーっ!!」」」」」」」」」」

 火が出るのが分かったので、火が着いても誰も驚かず、炎を眺め皆笑顔だ。

「もう一度注目!!この部分に、水みたいなのが入って居るのが見えると思う、こう振ると分かり易い」

「「「「「「水だ?」」」」」」

「これは、プロパンガスを詰め込んだ物で、無くなれば火は着かなくなるので、無駄に火を着けない様に!!」

「「「「「おーーっ!!」」」」」


「残りの持ち帰った道具は、随時使用法を個別に説明する!!」

「族長!誰に最初に教える?」

「ん?族長はサムソンでしょ?」

「今からアミが族長だ!!異議のある者は居ない、勇気と知恵それに力を皆に見せた!!」

「ん?…族長補佐を指名するよ!シルク、それにジャミとヤミ!!私を補佐して!」

「分かった」

「「ふっえ~~ん、私じだじで良いの?」」

「力の強いシルク、器用に矢を射るジャミとヤミ!頼りにしてる!!」

「「ふっえ~~ん…ありがと族長!」」

 ジャミとヤミは、投げ槍が下手で、もっと下手だった私で鬱憤晴らししてただけ、気心知れたら良い奴等だった。


「では、族長として最初に皆に指示を与える!

 この地は池が有り、野牛等肉も豊富に狩れる!貴重な岩塩も豊富だ!神の領域にも近い。

 ここに小屋を建て、住み良い集落を作る!!力と知恵を出し合い頑張って貰いたい!!」


「族長?コヤとかシュウラクとか、意味が分からんのだが……」

「小屋とは、雨風、暑さ寒さから身を守る、神の領域の神殿とかは無理でも、屋根のある住処を皆で建てる。

 各自の住処が出来上がると、集落と呼ぶコロニーが出来、この地は私達一族の物と言える」

 皆は想像出来て居ない様子だ。


「詳しい説明は肉を食べながらする!今から野牛を狩りに行く、着いて来て!」


「野牛があんなに旨いとは知らなんだ!大量に狩るぞ!!」

「いや!2頭だけ狩る、必要な物を必要なだけ集める!食べ切れず腐らせる無駄をしない様に!これからは計画的に物事を進める」

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