第7話 岩塩と牛肉取ったどぅ

 帰り道は非常に近く感じた。

「意外に猛獣に出会わないね」

「ミア、ここは人の道、獣道通れば獣に出会うよ!」

「そう、なの?知らなかった」

 シルクは唯一、今まで一度も私をしく言った事が無い、私が突然神掛かり変貌して、手のひら返しした人達と違い態度が変わらない、信頼出来る幼馴染み、友達と思ってる。


 もっとも、子供の時は一緒に居たが、狩りが出来る様になってからは、役立たずだった私を狩りに誘ってくれた事は無かった。

 私は近眼が酷く、投げた槍がまともに飛んだ事が無かった、従って誰も猟に連れて行ってくれなかった、常識が無いのはしょうがないよ。


 森を抜け草原に出た。

「メガネって凄い!あんなに遠くまで見える」

 凡そ100㍍先に、草をむ野牛がいる。

「ジャミ、ヤミ!練習の成果見せて」

 幸いこっちは風下、ユックリじわじわ野牛に迫った。

 30㍍位近付いた所で、流石に野牛に気取けどられた。

 弓を絞って居た、ジャミとヤミが矢を放った。


 同時に私は、石槍を投げた!!

 投げ槍の練習は、毎日欠かした事は無かった、威力は凄まじいが見えて無いので当たらなかった私の槍は、唸りを上げ野牛の首に深く突き立った。


 首から血を噴き出しながら、ドッと倒れた野牛の胴とお尻に矢が刺さっていた。

「ジャミ、ヤミ!凄い!一発で当ててる!良く練習出来てるよ!!」


「ミアの姐さんこそ、見事な投げ槍!野牛倒したのは姐さんだよ」

 と言いながら、誉められて嬉かった様で、二人笑顔を見せた。

 憎ったらしかったジャミとヤミ、嘲笑ちょうしょうで無く自然な笑顔は、意外と可愛いかった。


 体格の良いシルクは、向かって来た獲物を、こん棒でぶん殴る戦闘方、遠距離攻撃は出番が無かった。

 とは言うものの、シルクの戦う姿も見たかった。


 皆で野牛の四肢を掴み引きずって帰った。

 首から、相変わらず血が流れてる、うる覚えだけど食肉は血抜きしないと不味いって聞いた事がある。


 きっと、牛肉の塩焼き、旨くて皆大騒ぎになるだろう。

 料理とは言えないけど、生肉喰らう生活より、少しは文明人に近付く、一歩にはなるだろう。

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