第2話 近視何とかしなくちゃ

 全て思い出したけど、何をどうすれば……。

「この原始人達『焚き火』火を起こす知恵も無いみたい」

 けど、ライターも無いし、火ってどう遣れば起こせるの?


「もう生臭くて、生肉食べれない!

 それより、近視をどうにかしないと……メガネは無いよね?原始時代にそんな便利な物有るはず無い…いや!このアミの記憶、メガネを見てる!」


 私はサムソン族長の前に進み出ました。


「ん?アミ、何か用か?」

「族長!以前シルクちゃんに見せて貰った、神器の使い方教えます!」


「貴重な神器、未熟者のオモチャでは無い……使い方を教える?あれが、何かに使えるのか?」


 私は、サムソン族長の隣に座って居る、先々代の大族長に話し掛けた。


「大族長様、近くが見え難くなって居ません?私が見える様にして挿し上げます」

「お前は、孫シルクの友達じゃったのぅ?また見える様になるのか?」


 半信半疑の大族長と、サムソン族長シルクちゃんも、武器置き場に向かった。


 原始生活、一族は、小屋や住処すみかを作る所まで進んで居ない、放浪狩猟生活で集落はまだ出来て居ない。

 財産や武器は、纏めて1ヶ所に置かれている。


 かなり前、私やシルクちゃんが生まれる前、サムソンが族長になる為の試練、希望が叶うと伝えられている神殿に行き、神器を持ち帰る。

 その時持ち帰った神器、以前シルクちゃんと見たもの、アミの記憶に有るのはメガネに違い無い物だった。



「これこれ!!これはね、こうやって使うの!」

 五個有るメガネ、レンズを確認凹レンズが二個、凸レンズが三個、二個の凹レンズから私の視力に合った、度のきつい方を掛けた。

 今までの私、よくもこのド近眼で生きて来れたもの「ドジ役立たず」って言われる位で済んで幸運だった。

「大族長様、私みたいにこの三個から、一番見易いの選んで同じ様に掛けてみて」


 不思議そうに見ていた大族長様に、メガネを渡し順に掛けて貰った。

「おっ?おーーーう!!これは凄い、良く見えるぞ!!」

「大族長様は、遠視と言う目の病にかかって居ました、そのメガネは近くを見て細かい作業をする時に使って!普通の時には外さないと、遠くが見えないよ」


「アミよ、神器の使い方、何故に突然理解出来たのだ?」



 さて、何と言ってゴマカセば良いの?

「か、神様が、突然教えて下さって…さっき」


「何ぃ!!アミは神卸しになったのか!!」

 単純だね、こんな嘘っぱち信じるんだ。

「神に力を授かりました。力の確認したく、族長お願いが在ります!」

「力まで授かったのか?力試しだな、やってみろ!同族殺し以外なら許可する」


「族長、許可感謝!

 おいっ!ジャミ、ヤミ!出て来い!!私と2対1で勝負しろ!!」


「邪魔者、役立たずのアミのクセに、偉そうに何か囀ずってる」

「ボロボロに伸してやる!」

「邪悪ジャミに嫌みヤミ!日頃の恨み晴らさせて貰う、掛かって来い!」

 これだけバカにされて、挑発されればアホみたいに突っ込んで来る。


 彩弓の時、柔道初段、極端流空手は茶帯だったんだよ。


 突進して来た、ヤミの翠月(鳩尾みぞおち)に良いタイミングで拳が入り、少しえぐって置く。

 ぶん殴るつもりか、ジャミの拳が来た。

「遅い、遅過ぎる!!」

 左手でジャミの手首を握り、右肩をジャミの脇に入れる。

 絶妙な1本背負いが決まった。

 恨みが有るので、引き手を離し地面に叩きつけた。


 ジャミは「ゲホッ」と一声だして気絶、受け身を知らないジャミは後頭部を打ち付けて居た。

 一方ヤミは、あの一撃でゲーゲーゲロ吐いてる。

 鳩尾を強打されると、苦しさで気絶も出来ない状態になる。

 因に、首から上の打撃は、フワッと気持ち良く気絶させる。

 脳震盪起こさせるので、本当はこっちの方が危険なんだけど。



「アミ!見事だ!!神から授かった力、しかと見せて貰った」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る