転生したら生肉喰らう原始人?いやぁ~~っ!!

犬時保志

第1部 族長への道

第1話 プロローグ覚醒

「役立たずが、いっちょまえに肉喰ってんじゃねぇ」

 ジャミが何時もの嫌がらせ、私の背中を蹴ってる。


 役立たずだろうが、大量のお肉、皆で食べ尽くさないと腐ってしまう。

 そんな状態だから、私もお肉食べ放題させて貰ってる。


 目の前にある巨大なお肉、マンモスはサムソン族長が狩り手、族長の娘シルクが追い手、一族総出で狩った獲物だ。

 その時も、私が投げた槍は全く見当違いの所に飛んでいった。

 私アミは近くは良く見えるけど、少し離れるとボヤけて見えなくなる病気を持ってる、その為威力は有るのに、全く当たらない投げ槍だった。


 蹴られても、小突かれても、滅多に無いお肉食べ放題だ。

 でも、私に回って来るお肉は固くて、誰も食べようとしない所、必死にモグモグ咀嚼して、殆ど丸呑みしてる。


「ウフッマンガ肉」

 族長サムソンがカブリ付く、輪切りにしたデッカいお肉を見て呟いた。

(マンガ?マンガって何?マンガ肉……)

「あっギャートルズ?」

 何か思い出しそうで、声に出すと沈んで掴み取れないもどかしさ。


 頭の中がモヤモヤする。

「何だろう?変な気持ち」

 何か大切な事を、忘れて居るような?


「今は食べる事に集中!モグモグ……私生肉食べてる?」

(生肉がどうした?お肉はこれだろ!木の実も葉っぱもそのまま食べる、肉をそのまま食べるのが変?)

「思い出せないよ!」


 今日でお日様3度沈んで登ってる、その間食っては寝、起きては食い続け、また寝るの繰り返しだ。

「それにしても固い肉だね、文句は言えないけど……モグ?思い出した!!」


 突然、霞が掛かってた頭の中がスッキリし、全てを思い出した。


 私は戸田彩弓とだあみ、高校1年生16歳、柔道の朝練に遅れそうで、車がいないのを確認、横断歩道を信号無視して駆け抜け……る事が出来なかった。


「それより、異世界転生って、魔法の有る中世がテンプレでしょ!!何で原始時代?私は腰ミノだけ、上半身裸の原始人!!」

 女連中全員乳放り出し。

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