【リハビリ】異世界転生した俺氏、奴隷少女を勢いで買って同棲しようとしたら即捕まって処刑された件【プロローグ】

 どうしてこうなった。

 俺は、街の広場で両手両足をくさりしばられ、多くの衆目にさらされている。

 布袋が頭に被せられると、民衆と思われる人々の声が聞こえてくる。


「あの男、奴隷の女の子を買ったんですって」

「うっそ、今の時代にそんなことするクズがまだいるの?」

「貴族様ならさておき、あの身なり、どうみても平民だろ? やるならもうちょっとうまくだな……」

「しっ、声が大きいよ! 衛兵がこっちをにらんでいるわ」

「ママー、あの人、何したの?」

「こら、来ちゃだめだって言ったでしょ! 最低のことをした人間カスなんて見てたら、神様の罰が当たるわよ」

「ほっほっほ、久々の斬首祭、楽しみじゃろう」


 俺は自然と涙が出てくるのを押さえられなかった。


 せっかく、異世界転生したのに。

 せっかく、好みの女の子に出会ったのに。

 せっかくの異世界、奴隷を買って同棲エロいことくらい許されると思ったのに。


「これより、刑を執行する!」


 首に、冷たいものが触れる。


「……なあに、動かなかったら、苦しまずに済む」


 その言葉を聞くやいなや、鋭い風切り音が耳元をかすめた。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る