第4話「人間界・結婚情報誌調べ」

「魔王様知ってますか? 

 初夜に『お前を愛してないし、これからも愛することはない! 俺に愛されたいなど思うな!!』と言った旦那が、

 新妻に愛想をつかされて、賢い奥さんはその日から離婚に向けて行動を始める小説の方が圧倒的に多いです」


「へっ……??」


魔王様がひどく間抜けな声を上げた。


「旦那が奥さんの魅力に気づいてた時には時既に遅く、奥さんに不貞の証拠と離婚届を突きつけられて、白い結婚が成立するっす。

 そういう小説も星の数ほどあるんすよ。

 むしろ最近はこっちの話の方が主流っす」


魔王様はオレの説明を聞いて呆然としていた。


「し……白い結婚とはなんなのだ?」


「一年間夫婦の契りを交わさなかった夫婦は無条件で離婚できるんすよ。

 白い結婚の場合は結婚自体が無かったことになるんす」


オレの言葉を聞いた魔王様は顔面蒼白だった


魔界一の情報屋を名乗ってますからね。人間界で流行ってる小説も読んでるっす。


というか魔王様は白い結婚について今知ったんすか?


魔王様は漆黒の瞳をうるうるさせ、泣きそうな顔をしている。


こんな魔王様めったに見れないっす。


「魔王様知ってますか?

 人間界で発行された結婚情報誌によると、初夜に言われたくない言葉ワースト1は、

『お前を愛してないし、これからも愛することはない! 俺に愛されたいなど思うな!!』

 だそうです」


魔王様は真っ青な顔でだらだらと額から汗を流してる。


「ちなみにこれから読み上げるのは新婚初夜に旦那に、

『お前を愛してないし、これからも愛することはない! 俺に愛されたいなど思うな!!』って言われた奥さん達の反応っす。

・政略結婚はお互い様だっつの!

・悲劇のヒロインぶっててうぜぇ!

・お前みたいなしょぼい男、こっちから願い下げだ!

・夫にそう言われた瞬間、百年の恋が覚めました。白い結婚を成立させ、一年後に家を出ていくことを硬く誓いました。

・離婚して不利益を被るのはそちらです。一年後に己の無能さに気づいて復縁を望んでも遅いですよ。

 などなど……みんな辛辣っすね」


魔法様は全身からダラダラと汗を流していた。


魔王様の座っている場所には魔王様の流した汗により、水たまりができている。


「ラード、あまり魔王様をいじめるな。

 魔王様にも何かお考えがあってしたことなのだろう。

 そうですよね魔王様?」


リッキーさんは穏やかな口調でそう言っているが、彼の目は笑っていなかった。


「ない……何もない。

 あの言葉を言っちゃいけないなんて知らなかったのだ……」


どこのどいつだ魔王様に人間界の小説なんて読ませたアホは?


「まあまあ、魔王様そんなに落ち込まないでくださいよ。

 俺に言い考えがあるっす。

 間違えたときは素直に謝って仲直りすればいいっす!」


「そ、そうなのか?」


魔王様が瞳をキラキラさせながら見上げてきた。単純すね、うちの魔王様は。


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