監視線
私はこう思っている、と、俺は”俺“の話をしているのに
”あなたたち“はそう思っているのか、と、君はそう返してくる
全体的な傾向を個別の事例に当てはめたり
個別の事例から全体的な傾向を判断したり
男のくせに情けない
これだから女は嫌なんだ
問題は単純化したほうが楽なんだ
そしたらいちいち悩まないで済むから
仕様がないよ、だって俺日本人だもん
そりゃそうよ、私田舎の人間だもの
そういうことにしておけばそれ以上追及されない
そういう手もある
そしたら自分自身の責任が生じないから
僕らの敵は外側にいるばかりじゃない
僕らの敵は内側にもいる
僕らの中にだって差別はある
僕らだって平等じゃない
ありのままの自分を受け入れあるがままに生きよう
でもそれで他人の生き方を侵害してはならない
あなたがあなたのままでいたいように、
誰もが自分自身の在り方を模索しているのだから
それは外側から僕らを縛り付けるものじゃない
それは尊厳を口実に不自由を強いるものじゃない
それは日々の中で変化し続けるもの
もしもそれが”行き過ぎた“とすれば
それは”誰か“に利用された正義の模造品
僕らの問題は僕らだけの問題じゃない
それは君の問題も解決するはずだ
彼の問題も、彼女の問題も
全ての人の問題を解決するはずだ
それぞれの場合、それぞれの闘争はそれぞれにある
それがリンクしないこともある、でもすることもある
僕らの闘争は僕らだけのためのものじゃない
それぞれの闘争の課題は違っていても
外側からの迫害を怖れるように
内側からの暴走をも怖れている
だから俺はここにいたい
いつかこの線が消えたらいいな、と、
夢見ながら
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます