2-4章 策略家白亜!?
第33話 「それで‥‥なんでお前ここにいるんだ?」
ピピピピピピ――――ピッ
「ん‥‥くぁぁ‥‥」
セットしていたアラームを止め、ゆっくりと体を起こす。そのまま室内用のスリッパを履き、瞼を擦りながら一階へと続く階段を降りる。俺は朝があまり得意ではないため、起きてすぐの状態は、頭も回らないし、動きもすごくノロマだ。
「あ、おはよコウ」
リビングへと降りたところでそう声をかけられる。
「ん‥‥?あぁ、白亜か。おはよう‥‥」
「うん。朝ごはん、準備してあるからはやく食べて」
そう告げられ、食卓の方へ目を向けると炊き立てのご飯に、卵焼き、焼き鮭、豆腐の味噌汁と豪華な朝食が並んでいた。
「これ、全部白亜が作ったのか‥‥?」
「うん。冷めないうちに食べて。そして早く脳を起こして」
白亜に急かされ、俺はゆっくりと食卓に着き、箸を持つ。
「いただきます‥‥」
そう挨拶をし、俺は卵焼きへと箸を伸ばす。一口大に切られた卵焼きは、咀嚼するごとに、しっかりとした甘みを感じる。
「美味いな‥‥」
「当たり前。私のこと舐めすぎ」
褒めたらなぜか叱咤が返ってきた。なぜ?
(‥‥まぁいいか。今は白亜の作ったご飯を楽しもう。)
寝ぼけた状態の俺は、深く考えることをやめた。
「それで‥‥なんでお前ここにいるんだ?」
「コウ、今更過ぎ」
「いやまぁ、そう言われればそうなんだが‥‥」
白亜が用意してくれた朝食を食べ、顔も洗ってすっかり目が覚めたころ、俺は今更すぎる疑問を感じていた。
「ちゃんと彩さんの許可はとってる。それに今日は私がコウと2人きりで過ごす日だから」
「だからといって朝ごはんまで用意しに来なくても―――」
「ほかの4人とはちがうことをしないとだめなの。コウは女心がわかってない」
「えぇ‥‥」
白亜は食い気味にそう言う。しかも、幼馴染のはずなのに、女心がわかってないとも言われた。
「幼馴染であっても、女心がわかるとは限らないんだよ」
「はい‥‥」
白亜に心を読まれ、そう釘を刺された。女心ってムズカシイ‥‥。
「コウ、早く学校行くよ。遅刻する。私、走るのなんてごめんだから」
「お、おう」
朝から少しブルーな気分になりつつも、白亜に急かされ慌てて家を出るのだった。
「そう言えば白亜と2人きりで外出るのって、初めてか?」
2人で並び、学校へと歩きながら、ふと気になったことを聞いてみる。幼馴染5人が離れたがらないこともあるが、そもそも白亜は外出することが少ないため、ほかの4人よりも2人きりになる機会がないのだ。
「ん、いつもは6人でいることが多いから」
やっぱりそうか。5人が順繰りに俺と過ごすようになってから、こういった新たな気づきが増えてきた気がする。そう言った意味では、俺にとってもかなりありがたいことなのかもしれない。
「ところでコウ、ほかの3人とはずいぶん幸せな登校をしてたみたいだね」
「あ‥‥あ~‥‥まぁ、幸せは一応詰まってた‥‥かな?」
「ふーん」
俺はこれまでの3人との登校を思い出しながら、そう答える。
(嘘は言ってない‥‥男の幸せはたくさん詰まった感触だったからな)
「コウ、なんかえっちなこと考えてるでしょ」
「はい、すいませんでした」
白亜にジト目でにらまれ、俺はすぐ頭を下げる。『女の人を怒らせてもなにも良いことはない』って偉い人(母親)が言ってたからな。それに、白亜みたいなミステリアスな人を怒らせると何されるかわからないからな。
(それにしても『えっち』かぁ‥‥。白亜みたいな人がそういうこと言うの、なんか‥‥こう‥‥すごくイイ!)
「コウ‥‥救えない」
そんなことを考えてる横で、白亜は呆れたようにため息をついていた。
――――――――――――――――――
この度は、週1投稿を宣言したにも関わらず、3か月投稿をサボってしまい、大変申し訳ございませんでした!!!!!!!!!!!!!
今日からまた、投稿を頑張っていきますので、何卒ご理解・ご協力のほど、よろしくお願いいたします。
あ、彩さんにはちゃんとボコボコにされました
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます