2-3章 ちょっと過激な翠?!
第27話 「さあさあ虹ちゃん!今日は私の番ですよ!」
本編に入る前に、皆さんに謝らなければいけないことがあります。
後で、しっかりと彩さんに締められてきます‥‥。
☆★☆★☆★☆★
「さあさあ虹ちゃん!今日は私の番ですよ!」
「お、おう‥‥」
蒼のギャップ(?)に耐え抜いた翌日の朝、元気な声で俺の家に入ってきたのは翠だ。朝からすごい爽やかな顔をしている。
「テンション高いな。なにかいいことでもあったのか?」
「虹ちゃんと2人きりで過ごせるからですよ?」
当たり前、と言わんばかりに真顔で首を傾げる翠。
いや、俺からしてみればわけわかんないんだけど。そんな当たり前のことなの?
「まぁそんなことはどうでもいいですから!早く行きましょう!お喋りしながらゆっくり歩いていきますよ!」
「あ、ちょ、おい!引っ張るな!」
やっぱり今日はテンションが高い翠に、引っ張られるようにして俺は家を出た。
ジロジロ――――
「‥‥‥」
ジロジロジロ――――
「‥‥‥‥‥‥」
ジロジロジロジロ―――――
「あの、翠?さすがに近すぎない?今の自分の体勢わかってる?」
「もちろんです」
「ちょ、声に出して言ってみて」
「バックハグです」
「わかってるならやめてもらっていいかな?」
いま翠が言ったように、俺は今、翠にバックハグされながら歩いている。そう、普通のハグとは違い、後ろから抱き着かれるハグだ。家を出た瞬間からずっとこの状態なのだが、この体勢はいろいろとまずい気がする。
まず、周りからの視線がいつも以上に集まる。
そりゃそうだ。バックハグをされながら登校するバカップルが一体どこにいるというのだろうか。‥‥‥‥いや、カップルじゃないけど。
そして次に、背中でダイレクトに伝わる感触がやばい。
考えてほしい。後ろから抱き着かれるということは、女性のある一点の部分が背中に容赦なく当たるのだ。その一点の部分とは、言わずもがな胸である。
蒼曰く、俺の幼馴染5人は全員E以上あるとのこと。蒼や朱莉がその豊満なものを俺の腕に押し付けてきたときに感じた感触もすごかったのだが、今背中に感じている感触はその2人よりも柔らかいような気がする。背中で感じているからなのか、それとも別の理由なのか‥‥。
閑話休題
今大事なのはそんなことではない。どうしたら翠にこのバックハグをやめさせられるかだ。幼馴染5人が集まっているときよりも、俺に向けられる視線が多いのは気のせいではないはず。いつもみたいに嫉妬の視線というよりは、好奇の視線が多いからいつもよりはマシなのかもしれない‥‥。いやそんなことないな。どっちにしろ
「翠、そろそろ離れてくれないか?さっきからめっちゃ見られてるんだけど」
「朱莉ちゃんの時も蒼ちゃんの時も同じような視線は合ったわけですから、私も問題はないですよね?」
「いやでも、あの2人は腕だったわけだし、そっちの方が楽かなって‥‥」
「ほかの4人と同じアピールをしたところで効果が半減するのはめにみえてますからね」
‥‥あれ、これ詰んでね?何言っても今のように「朱莉ちゃんの時は~~」、「蒼ちゃんの時は~~」って言われて終わりなのでは?
いや、まだ諦めてはいけない。考えれば方法はあるはずだ。
「え、えっと‥‥。翠の言い分はわかったからとりあえず体勢は変えてもらえないかな?ちょっと歩きづらいんだよね」
「私は虹ちゃんと片時も離れたくはありません。そしてさっきも言ったようにほかの4人と同じようなアピールではダメです。
以上のことを踏まえた結果、バックハグという選択肢になったわけです。これらの条件を満たすほかの体勢がありますか?」
掛けてないはずのないはずの眼鏡を左手の中指で押し上げる翠。
はっきり言います。
心が折れました。俺の心はもうボロボロです。
翠が自信満々すぎて何を言っても無駄だと悟った俺は、翠を説得するのをあきらめ、大人しく学校に歩いていくことにした。
「聖母様‥‥え?」
「ばばば、バックハグぅ?」
「あの男、マジで何者なんだ‥‥」
どうやら3日連続で5大美少女と2人きりで歩いていると戦慄までされるらしい。俺のことをみた男子たちは、みんな驚愕している。
「翠、今更だが本当によかったんだな?5大美少女の1人『聖母』が男にバックハグをしながら登校なんて、一斉に噂が広まるぞ?」
「実質既成事実ですからね。むしろウェルカムです!」
再度確認をとるが、翠は気にした様子はなく、むしろ嬉々とした表情を浮かべている。この感じだと確認する必要もなかったかな。
ガラガラガラ―—――
「‥‥!?」
もうクラスメイトのこの反応にも慣れてきたなぁ。まぁ今日は翠がバックハグをしながら登校してきたってのも含まれているかもしれないけど。
というか翠、昇降口から教室に入るまでの間もバックハグしてきてたんだけど。マジで歩きづらかった‥‥。
「お前ら。もしかしてだけどその体勢で登校してきたのか?」
俺と翠が教室に入ってきてすぐに後ろから声がかかる。
「あぁ、橙弥か。ご察しの通りこの体勢で家からここまで登校してきたんだよ」
「えぇぇ………」
俺の返事を聞いた橙弥は若干引いていた。まぁ、当然の反応だよな。むしろこれを聞いて何も思わないやつの方が異常だと思うし。無論、この体勢で登校してきた俺と翠は異常者だろうな。
「遠山さん、過度なスキンシップはほどほどにな?ほら、虹も健全な男子高校生なわけだし、いつか襲われるぞ」
「私としてはむしろいつでも襲ってくれていいですけどねー」
「デスヨネ」
橙弥の忠告に翠は笑顔で返す。
え、襲わないよ?翠も期待するような顔で見てこないでくれるかな?俺がいつでも襲うって感じになってしまうからやめてください!!
―――――――――――――――――――――――
彩:「ねぇ、なんで昨日更新しなかったの?」
作:「いや、ちょっと忙しかったといいますか‥‥」
彩:「ふーん?」
作:「信じてませんよね?」
彩:「私の可愛い義娘たちからこんな写真が送られてきたわ。これ、あなたで間違いないわよね?」
作:「はい‥‥昨日の自分ですね‥‥」
彩:「一体全体どういうことかしら?私の目にはあなたが友達と仲良くしゃべっているようにしか見えないのだけれど?」
作:「えっとですね、友達に頼まれて少し手伝いの方を‥‥」
彩:「友達を手伝う前にあなたもやらないといけないことがあるわよね?」
作:「はい‥‥」
彩:「それとも、友達を盾にして言い訳しようとでもしているの?」
作:「いえ‥‥」
彩:「何か言い残すことは?」
作:「‥‥お言葉ですが、あなたの義娘になるのは1人だけだと思います」
彩:「明日からも更新できるといいわね♪」
作:「まことに申し訳ございませんでしたぁ!!!!!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます