第16話  5大美少女Side2

今回の5大美少女Sideは蒼視点です!オフモードの蒼が見れるかも!?

そしてネタバレになりますが、この話では蒼とほかの美少女4人がグループチャットで会話するシーンがあります。その時のそれぞれの発言をわかりやすくするために、「」の前にそれぞれの名前を表示しています。その表示されている名前で、誰のチャットかを判断していただけると思います。

それでは本編をどうぞ!


☆★☆★☆★☆★☆★

ぐでー

そんな効果音が聞こえてきそうなくらいに私は、自分の部屋に上下ジャージ姿でベッドに寝転がり、手足を広げ、うつ伏せになった状態でだらけている。普段の私からは想像できないような光景になっているだろうけど、オフの時の私はこんなものよ。人間だれしも心身の休憩は必要だし、むしろ1日中気を張っていたら疲労で倒れてしまうでしょ?だから私は、家では干物状態になるの。


「蒼、ちょっといいかしら?」

ベッドの上で大の字に広がり、全身でベッドの柔らかさを堪能していると、部屋のドアをノックされ、お母さんの声が聞こえてくる。

「・・・・はーい」

渋々私は返事をして、モソモソとベッドから抜け出し、ドアの方へ向かう。


「・・・なに?」

ドアの隙間から片目だけ覗かせて、お母さんと向き合う。返事の口調も若干不機嫌になってしまったが許してほしい。ベッドでの至福の時を邪魔されたんだから、多少は不機嫌にもなるわよね?


「たった今、彩さんからちょっとした報告があったわ」

「報告?」

お母さんの言葉に私は首を傾げる。ちなみに、彩さんというのは、虹のお母さんのことだ。虹を含めた私たち6人の親は、私たちと同様に仲が良いので、頻繁に連絡を取り合っている。


「そう。虹くんのことについてよ」

「えっ!?」

お母さんの言葉に私は、さっきまで機嫌が悪かったのがウソのように高い声を上げる。

「フフ。やっぱり虹くんのことになると一気に女の子になるわねー」

「・・・・・・」

お母さんのそうツッコまれ、私はジト目を向ける。これで虹のことは嘘でからかわれただけなのだとしたら、実刑ものね。


「アハハ、ごめんごめん。別にからかったわけじゃないのよ?ただ、女の子の反応をする蒼が可愛いなぁって思って」

「・・・別にお母さんに可愛いって言われても嬉しくない」

「そうねー。あなたが可愛いって言われたいのは虹くんだけだものねー」

「・・・・そういうの良いから。早く本題の方を教えて」

私が露骨に話を逸らすとお母さんは「ハイハイ」と呆れたように頷き、本題に入る。


「実はねさっき彩さんから『息子とあなたたちの将来について話しました』っていう報告が来たのよ」

「それで?」

多分彩さんが急に虹とそういう話をしだしたのは、今日私たちと出会って虹の鈍感ぶりに辟易したからでしょうね。


「あなたたちの予想通り虹くんは、誰のアピールにも気づいてなかったみたいね。それを見かねた彩さんが虹くんに迫ったみたいよ。『さっさと5人の中から1人を選べ』って」

「っ!」

どうやら本格的にレースが始まったみたいね。お母さんの言葉や彩さんの性格も含めて考えると、虹は彩さんから私たちの好意について知らされたに違いないわ。そうなると虹は私たちのことを嫌でも意識するだろうし、今までのような甘ったれたアピールだとほかの4人に搔っ攫われる可能性があるわ。つまり、本格的なアピールを始めないといけないわけね。


「わかった。ありがとうお母さん。ちょっといろいろ考えてみるわ」

そう言い残し、私は数センチだけ開けていたドアを閉め、自分の部屋に閉じこもる。ドアの向こうからお母さんの「頑張りなさいよー」という声も聞こえてきていた。


部屋に戻った私はすぐにスマートフォンを手に取る。お母さんには「考えてみる」と言ったが、既に私の頭の中には1つのアイデアが浮かんでいた。

スマートフォンのメッセージアプリを立ち上げ、グループチャットを開く。このグループチャットは虹以外の私たち5人のグループだ。(虹を含めた6人のグループももちろん存在している。)


グループチャットを立ち上げた私は、高速フリック入力で文字を入力していき、ある文章を送信する。


蒼:『彩さんからの話、聞いた?』

朱:『彩さんからの話、聞いた?』

翠:『彩さんからの話、聞いた?』

紫:『彩さんからの話、聞いた?』

白:『彩さんからの話、聞いた?』

そして、ほぼ同時に、5人の全く同じ文章がチャット画面に表示される。この感じだと、4人も私と同じような報告を受けているのだろう。それなら話が楽ね。


蒼:『みんな、同じような報告を受けているようね。話が楽で助かるわ。私から1つ提案があるの』

白:『提案?』

よし、さっそく白亜が食いついてきた。ほかの3人も反応を示さないということは、話を聞く気はあるみたいね。

そう判断した私は、さらに文字を打ち込んでいく。


蒼:『そうよ。おそらく虹は、彩さんの話を聞いて私たちの好意に少なからず気づいてるはずよ。だからもっと本格的なアピールをしていくべきだと思うの』

翠:『確かにその通りだけど、一体どうするんです?』

蒼:『1日1人が虹を独占する権利を得るというものよ』

紫:『はぁっ?』

私の提案に紫夕がチャット越しでもわかるくらい露骨に難色を示す。まぁ、ここまでは予想通りね。本題はこれからよ。


蒼:『最後まで聞いてちょうだい。虹は私たちの好意に気付かされた。それを受けた私たちは本格的なアピールを開始する。ここまでは言ったわよね?』

朱:『そうだねー』

蒼:『その本格的なアピールをするには5人同時じゃ効果が半減すると私は考えるわ。当り前よね?5人同時にアピールされたところで誰が何をしているかなんていちいち把握できないでしょ?』

紫:『確かに・・・・』

私の言葉に難色を示していた紫夕も肯定の意を示し始める。


蒼:『だから5人全員のアピールに気を向けてもらえやすいように5人で1日ずつ交代でアピールの場を設ける。そうすればアピールの効果は最大限発揮されるし、5人同時だとできないこともできる。一石二鳥でしょ?』

白:『なるほど。一理あるね』

翠:『私は賛成ですね』

朱:『私もー』

紫:『私も納得したし、賛成するわ』

白:『私も賛成かなー』

どうやらみんな私の意見に賛成してくれるみたいね。それならここからが本番よ。


蒼:『満場一致で賛成ね。それなら次は、独占する順番を決めていくわ』

朱:『どうやって決めるの?』

蒼:『このアプリにはあみだくじを作れる機能が備えてあるわ。それを使って順番を決めていくわよ』

翠:『でもそれだとあみだくじを作った蒼が有利ではないですか?好きな番号につながるあみだを選べばよくなるので』

蒼:『そこも考えてるわ。ルーレットを回して当たった数字のところをそれぞれのあみだとするわ。左から1,2,3,4,5という順番でね』

白:『それなら納得』

蒼:『決まりね。それじゃあさっそくあみだくじを作っていくわよ』

説明を終えた私はあみだくじの作成、ルーレットの作成、番号の割り振りを順番に済ませ、あみだくじの結果が見られる状態にする。


蒼:『結果が出たわ。それぞれの順番を確認して頂戴』

朱:『あ、私1番だ!』

翠:『私は3番目ですね』

白:『4番目把握』

紫:『5番目。何番が有利なのかがわからないから何とも言えないわね』

蒼:『それじゃあ残った私が2番ね。この順番は明日から適用するわ。だから明日1日は朱莉が虹を独占することになる。みんな異論はないわね?』

朱:『おっけーだよ!』

翠:『了解です』

白:『異論なし』

紫:『問題ないわ』

蒼:『それじゃあ決まりね。朱莉、健闘を祈るわ』


そう締めくくって今回のチャット会議は終了する。

さて、みんながどう動くのか楽しみね。










――――――――――———————————

蒼の提案によって今回のアピールの場が設けられていたようですね。ただ、そのせいで朱莉と虹がモデルをやることになって、若干墓穴を掘った感が否めませんが・・・・ご愛嬌ということで。


現在、この作品をカクコンに応募しています!賞などはあまり狙っておらず、たくさんの人の目に留まってくれたら嬉しいなという気持ちで応募しています。ただ、それでも応援をいただけたりすると嬉しいです!

なので、本作のヒロインや主人公、そのほかの人物を気に入っていただけましたら、応援や、星での評価のほどよろしくお願いします!


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