第7‐5話 (蒼目線)
「ただいま」
虹に家まで送ってもらったあと、私は玄関から自分が帰ってきたことを告げる。
「あら、おかえり。今日も虹くんの家に行ってたのね」
そう言って、私を出迎えてくれたのは私のお母さんである空凪 瑠璃(そらなぎ るり)だ。お母さんは、私とは対照的で少し青みがかかった髪をしている。ただ、それ以外はほとんど似ている。私の紺碧の瞳と、モデルのようなすらっとした体形は完全にお母さん譲りである。性格は・・・・若干違うかも。私はクールだと言われるけど、お母さんはちょっと明るめな部分があるから。朱莉に近いかも。
「どうせ、今日もほかの4人と口喧嘩でもして、虹くんにたくさん迷惑かけたんでしょ?」
「・・・・・・・・」
「やっぱり。そうだと思った」
確信しているかのようなお母さんの言葉に私は沈黙するしかない。実際、その通りなのだから。それでもドンピシャで言い当てられたのは少し悔しい。
「まぁ、喧嘩しているのはいつものことだしあんまり深くは聞かないでおくけど。それで、肝心な虹くん攻略の方はどうなの?」
「・・・・・・・・・」
「こっちもダメなんですかい・・・」
お母さんの質問に対して私がまた無言で返したことで、お母さんは苦笑を浮かべている。
「ずっとそんな調子で大丈夫なの?ほかの4人にかっさらわれちゃうんじゃないの?」
「ほかの4人もみんな似たような状況だし・・・・」
お母さんの言葉に私は静かに反論する。状況としては、私たち5人とも同じ位置だ。まだ全員スタートラインにも立てていない状態だ。
「そうやって余裕ぶってたら、誰かがパッとアクションを起こした瞬間に持っていかれるよ?」
「っ!」
お母さんの言葉に私は戦慄する。確かにお母さんの言うとおりだ。今現在、虹は私たちのなかで誰1人として女の子としてみていない。それが何かのきっかけで誰かを異性としてみた瞬間にそのままゴールインなんてこともあり得る。それだけは避けないといけない。
「お母さん、私はどうすればいいと思う?」
「まぁ、方法はあるにはあるけど、あんまりおすすめできないよ?それに蒼も嫌がりそうだし」
「大丈夫。虹に女の子としてみてもらえるなら何でもやる」
私はお母さんに覚悟を伝える。このまま虹に異性としてみてもらえずに終わるよりも、異性としてみてもらった終わる方がよっぽどマシだ。
「そんなに言うなら教えてあげるけど、後悔はしないでよ?」
お母さんの言葉に私は頷く。ここまできたら後戻りはできない。
「その方法って言うのは“色仕掛け”だよ」
「!?」
お母さんの答えは私の予想をはるかに超えるものだった。でもそうすれば多少強引でも女の子としては意識してもらえるはずだ。
「わかった。私頑張る」
さぁ、ヒロインレースの開幕だ!
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予約投稿初めてやったんですけど、上手く出来ていたでしょうか………?
何はともあれ、ちゃんと今日中に投稿出来たことを嬉しく思います!かなり大急ぎで執筆したため誤字などがあるかもしれませんが、発見次第、随時修正していきます。
かなり頑張って書いていますし、ここまで頑張れたのも、この作品がたくさんの人に読んでいただけているからです!
なので、もし「海野さん、頑張った!」とか「お疲れ様!」と思われた方がいらっしゃいましたら、応援や星での評価などよろしくお願いします…………!
執筆のモチベーションにもなります!
皆さんにこの作品をできるだけ楽しんでもらいたいので、これからもできるだけ毎日執筆していきますので、よろしくお願いします!
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