第26話 強いおっぱいは弱く見えない
四天王ベルフェゴールの魔城が見える位置に到着した。正確には森の中から木の裏に隠れ覗き込んでいる。ここなら探知されない距離だろう。
俺は一瞬魔城を見た後、アイオンのお尻を近距離で覗き込んでいる。体を90度傾けているが、アイオンは魔城に集中しているようで気づいていない。
道中のモンスターは全て小石を投げて倒したが、レベルは上がらなかった。ここの城の奴ら全員倒したらまた上がるかもな。
なにしろ魔王がどれほどの強さなのかわからない。レベルは高ければ高いほどいいだろう。
「この城には私の姉、再生の女神セドナが幽閉されています」
「いよいよお姫様救出ってわけか」
「はい。女神の力も検知できます、必ずここにいます」
女神同士はお互いに力を検知できるらしい。その力でどこにいるかも何となくわかるそうだ。
「どこら辺にいるかはわからないか?」
「地下だと思います。ですが念のため雷神の鉄斧は使わずにいきましょう」
「わかった」
「あの、先ほどから声が後頭部の上からではなく、腰あたりから聞こえるのですが」
ギクッ。バレていた。
「ああ。あまりに素敵なお尻だから、近くで見ていようと思って」
「もー! やめてください。えい!」
そういってアイオンは尻を突き出した。俺は尻を顔に打ち付けられて転んでしまう。
「へへーん、参りましたか? ってなんでそんな嬉しそうな顔してるんですか!」
当たり前だろ、喜ぶなって方がおかしい。
アイオンのヒップアタックを顔で受け止められる日が来るとは。
「油断しすぎです! ベルフェゴールは狡猾な魔族です。前回四天王を倒した守さんを警戒していないはずがありません。どんな罠があるか……気をつけて下さいね」
最初は説教モードだったが、段々と不安が見え、最後にはただ心配してくるだけだった。
「そうだな。このあとすぐ死んでしまうかもしれない。そしたら心残りがあるな」
「そんなこと言わないでください。心残り?」
倒れたままの俺を、小さな子供に話しかけるように前屈みになりアイオンは不安そうに尋ねてきた。
「ああ。アイオンのお尻と胸をまだ同時に揉んでないんだ」
アイオンはすっ転んだ。重心がこちらに傾いていたため、M字開脚していた俺の股間にダイブする形になる。顔面に俺の相棒がぶつかった。
「ぐはっっっ!」
ゴールデンボールズに頭突きを受け、俺は悶絶する。
「ご、ごめんなさい! 【ヒー___」
「まて!!!! ヒールはかけないでくれ」
痛みで掠れる声で、しかしはっきりと意思が届くように、ストップをかけた。
「え?」
「この痛みを…楽しみたいんだ」
痛みで額に脂汗をかき、股間に手を当てながら、しかし笑顔で答えた。ジト目で見つめてくる。今日はサービスがすごいな、豚骨ラーメン全部のせにさらに全部乗せてるくらいのサービスだ。
「またそんなこといって」
「ご褒美だからな」
「守さんがこんな変態さんだなんて思いませんでした」
プイと背中を向けてしまう。
いいのか?お尻を思いっきり見せてくれることになるが?いや正面だとお胸とお顔を見せることになる。ダメだ、どこから切り取ってもアイオンは最高だ。
「お尻」
「お尻見ないでください!」
振り向き怒鳴るアイオン。しまった、声に出ていたようだ。しかし振り向くとお胸が!
「また胸見てる。はあ……どうして危険な戦闘の前でもそんなに余裕なんですか?」
「余裕なんてない! 俺は真剣なだけだ。 きっと死を悟る瞬間にも、胸と尻を同時に揉みたかったと後悔するだろうね」
「……」
無言で頬を膨らまして抗議の表情を見せてくる。何してても可愛いなほんと。
「この戦いに勝ったら、揉ませてくれるか?」
「……今揉んでから行きますか?」
「なん……だと___」
チ○コの血圧が……上がった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます