第25話 AM6時に解ける魔法
空の鳶、みたいに呑気
そんな聖夜も遊び半分が何時しか本気に。
季節は10月。良美のデカパイでキョロ充になった日から幾日が経ち今日も
あの日ヘリコプターになった俺は何を思ったのか日本武道館でコンサート開催の日程を組んだ。トントン拍子で進んだ着陸場の予定。スポンサーサイドからは謎の圧力なんてかかり早期開催が決定された。我に返った時にどうすんだこれと思っても何もかもが遅かった。
聖夜が運転するヘリコプターを国民が楽しみにしていて今辞めたら暴動が起きるとお偉いさんに言われた。しかし武道館に入る人数全てだと流石に体が持たないので着陸場は数名だけにしてLIVEに変更してくれと泣きついた。
お偉いさんに一晩お付き合いしますと前世のアイドル張りに体を使ってお願いするとわかりましたと真顔で言われた。
なんとかなったんだが今はリリックを書くのに苦心してる最中だ。
LIVEでカバー曲を歌うのは邪道も邪道。
CLUBでも自分の歌詞で表現出来ない奴は影から馬鹿にされた。俺は上手ければすげえなって思うけど。
上っ面の良い言葉だけで飾られた歌詞。
薄っぺらい事ばかりで書かれた歌詞。
リアルじゃないから感じられない。
そんな訳で学校でセクハラしつつもこうやって詞を書き留めてる感じの毎日。
カレンの部屋で2人で練習する日々が続いた。
カレンは歌がめちゃウマなので俺と一緒に武道館に出てもらうことにしたのだ。
このコミュ障が人前で歌えるのかと俺も思ったが実に勿体ない。歌がこんなに上手いのに表に出ないのは勿体なさすぎる。
変態乱交パーティーの時に使う、違う、昔の貴族や平民なんかがしてる目だけ隠す蝶々の様なマスク。ヴェネチアンマスクを着けさせたら人前でも歌える様になったカレン。普段でも着けて屋敷を彷徨くようになった。外出するのも楽しいようだ。良かった。
そんな日常も終わり今日は武道館。
LIVE決行日だ。開始時刻は午後6時。
ツブや広告では参加費無料。弁当不要。
1万4471人とのキャパだが着陸場になれるのは僅か7人。参加者達は厳正な抽選で行われた。不正は無いと信じたい。
お客さん達が入場口で当選番号の載っているスマホを見せるのと引換に係員から弁当セットを渡される。
弁当と聖夜のサイン。
来てくれてありがとちょんまげと書かれた色紙だ。後日ネットで5円くらいで売られてたのを見て俺は泣いた。んなことはどうでもいい。
国から金が出てるのでスポンサーもウハウハだとの事。首相官邸燃えてんじゃんと言う賢いあなた。そんな事忘れてたのでなんとかしてくれ。
「ふー、ドキドキすんな」
スッ
「フッ、セーヤ落ち着け」
お茶をスッと渡してくれる相方カレン。まさかカレンに気を使われる日が来るとは。成長しやがってこのばかちんがっ。
「ありがとう、今日は楽しんでイクかっ!」
「ああっ!もうそろそろ始まるな、初っ端what's loveで良いのか?」
「勿論っ。紹介終わったらぶちかましてくれ」
「まさか私が人前で歌える日が来るとはな、感謝してるぞセーヤ」
目は口ほどに物を言う。蝶々の仮面で見ずらいが。信頼の証が確かにあった。俺は黙って拳と拳を叩きつけた。
始まった大観衆のLIVE。
爆発音が何処からか聞こえて来て体をビクつかせながらステージに震えて立つ。
もうだめぽ。
俺の隣では心配そうに見詰めるアシャンテェィじゃないカレン。ビビったら負けよ。そう目で言ってた。イッ、逝くしかねえ。
「こ、こんにちは〜」
「「「「「こんにちはー!!!」」」」」
始まり初っ端からトークさせんなよ。つー突っ込みは置いといて。震えながら話す。
「きょ、今日は元気かな?」
「「「「「元気だよーー!!!」」」」」
元気がねえ俺に元気をくれる皆。
なんつープラスな空気。
この空間で恥ずかしがってられねえ。
「オオッ!曲行かせてくれっ!最初はカレンと歌うwhat's loveだ!」
カレンの紹介も着陸場の予定等もすっ飛ばして曲に行く俺に付いてきてくれるスタッフ。
イントロが流れて曲が始まる。
弾けた機械音の流れる音源が爆音で流れる
カレン(セーヤ)
What's love? (君の事、好きだよと、Baby)
What's love? 私の事もっと見て、見なきゃキスしないわよbabe
What's love? (君は何処?会えないよ、Baby)
What's love? 私達の愛を知らないの?信じられないの?babe
What's love
セーヤ
オオッohoh、ああ、
あの日、俺は
に駆られて憤怒し、死んだ韻と時が止まり
いつか君と歩ける日が来るって信じたい
TIMEトリップ、トキメイた君の心の隣にin
したいと同じ空を見てた君と死んでも
良いと思ったのに君が居なくなったね
今じゃ、隣は空気さ変換しようと必死
になるも台無し適当自分自身そして
ココに生まれた猜疑心shit
Aa 、気分最悪、俺寒いぜ
燃やせよ、サードアイ、ゲッ、アナタ自死
空いた隙間に、君に二度と会えない現界、
そんな展開望んでないなあ
何度も読み返したあの手紙
繰り返し流した涙は忘れられないな
君を逃した思いに終幕空から
いつからか降りて来てよと
また君と会える将来
来るって信じて生きてる
俺は言うんだyou are love。
It's love
カレン(セーヤ)
What's love? (君の事、好きだよと、Baby)
What's love? 私の事もっと見て、見なきゃキスしないわよbabe
What's love? (君は何処?会えないよ、Baby)
What's love? 私達の愛を知らないの?信じられないの?babe
What's love
セーヤ
ha、ha、ha!ハハッ
マジ問題、有った、事だと言葉で
伝える事など出来ない事だと
しても出来ない相談、遠い
出来ればしたいよ旋回な転回
君に跨がりゃ天才、なれるよ誰でも
雲の上から、テメエ死んでも離すな
言われた気がした出鱈目垂らした
その、荒れた壊れた心を隠すな
己を出すなら人目憚るな
誰かがヤるなら離れなっ
ワワァ、きっとこれは天罰、陰がヒットし疲れたぜget money、he、he、
敵なら放つぜS&W gun shot
Mなら
惚れた女の残り香、がAhこんなに
辛いなんて知らなかったんだクズな俺に教えてくれ
what's love?
カレン(セーヤ)
What's love? (君の事、好きだよと、Baby)
What's love? 私の事もっと見て、見なきゃキスしないわよbabe
What's love? (君は何処?会えないよ、Baby)
What's love? 私達の愛を知らないの?信じられないの?babe
What's love
セーヤ
yo、yo、これから、
ニューエラ被ってCLUBに
ツレのマイケル、ジョークでパ◯ズリ
したぜアメ◯との関係、どんな因果か観念
逆転me、天下の聖夜のお鳴るシット日
そうさ、ア◯ルに入れるぜアッの日
なら黙ってケツ出せ、ヒィ、場ヒィ、日、
言わせたるから喧嘩はするなよBaby Baby
babe
ドエロイ頭の天災、わからない嬢ちゃんは後悔、よりも感じなベッドイン、アァ
俺はパーティーをしたいんだ変態、さあ
体動かしお前の開きな、come get up
俺が変わった?君が
居なくなったからさ
what's love?
カレン
私も、ええ、見失ったわ
無くした居場所、心もそう、ファ◯クよ
あなたから見てた、違う景色よ、だからお願い私とフ◯ックしよ
どんな私かあなたは知ってる?
知ったら引くわよ転換
出来ない繊細な変態
アー、ア◯に入れてよ限界
教えて私に見解、come on
思わせぶりだけやめてよ
だから見せてよあなたの what's love?
カレン(セーヤ)
What's love? (がっつくぜ、がっつくぜBaby)
What's love? 私の事もっと見て、見なきゃエスしないわよbabe
What's love? (ヤる事だろ?ヤらせろよ、Baby)
What's love? 私達の愛を知らないの?信じて良いの?babe
What's love
二人の曲が終わり続いて流れたトラック。
緊張も興奮もやまないままに俺は歌った。
決して病んじゃいない。違うか。
そんなこんなでステージは続く。
時にラップ、時に昭和のメロディーなんか入れちゃったりして場は少し盛り上がった。理想を口ずさむんじゃない。ラップは本当にあった事を歌うから良いんだ。
理想は大事だ。
妄想するのは大人になってからでも出来る。
経験するのが1番大事だ。
他人に迷惑かけすぎた。だから辛いって奴はなかなか多いと思う。
そんな大人にならない様に俺は歌う。
詩を歌った。
途中弁当タイムや雑談タイム。
旋回パフォーマンスをお偉いさんに観衆の前でやらされて俺のLIFEを減らしつつも無事に終了
終盤の曲が終わりステージを降りる。
終始客席はポカンっ?としてたものの笑
着陸の場はアホみたいに盛り上がった。
なんとかやり切った、やり切ったぜえ
「ハァハァ、マジきちい」
スッ
「マジキチ、お疲れ様」
誰がやねん、お茶をステージ前と同様に渡してくれるカレン。ええ女やで。
態度が変わらない女。そんな女を見付けたら絶対に離すな。聖夜との約束だ。
感傷に浸ってるとスタッフから
「聖夜さんっ!お疲れ様でした!お休みの所すみませんアンコールがやみませんっ!」
マジか?僕が降りるステージに声鳴るの?歌った先は眠りの向こうちゃうの?日常に帰る楽な方法か、この貞操逆転世界から今更戻れん。なら歌うだけだ。耳をすませば確かに聞こえる。
「「「「「アンコールアンコール」」」」」
幻聴じゃねえ嫌々じゃねえ声。
キラキラな目に会いに行くぜ。
「カレン行くぜ」
「ああ、セーヤ任せなっ」
俺のスキルが覚醒して解散が朝6時過ぎに。
AM6時に
_____________________
2章アンコール閉幕しました。読んで頂いた全ての方へ感謝します。閑話を挟んで第3章ソノサキニもよろしくお願いします。元ネタ知らないとつまらないだろうなと思いながらもおっさん世代や若い子達が見て笑ってくれたら嬉しいと思います。こんな作品を贔屓にして頂いているお方いつも感謝です。
ちなみに私はラッパーでは無くて本当はダンサーでした。なのでプロの日本人ラッパーは本当に素敵なリリックを書くので題名等でググって頂ければ沢山本物が見れると思います。ぺこり。見てはいないと思いますがおい、辞めろ、クズってアーティストの方は柄◯わないでお手数ですが一報くださいませ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます