第19話 愛しの舐ダル麻たち


:日曜日なので2話更新しちゃってます。





スピードは次元を超えて変化していく。


テメエの声が、いくつも聞こえる



朝サイレンの様な放送で目が覚める。


ここは精神病院。イッちゃった野郎が集まる愉快ハッピーな所だ。


朝スケベな看護婦達から尻に注射を打たれる所から俺の1日が始まる。


「聖夜くん〜お尻に注射打つわよ〜」

「えへへ〜」

なんつってぞろぞろと看護婦達が俺の部屋に集まってくるの、やめてください。


「ちょ、こんな人必要なくないですか?」


「あら看護婦に口を叩くなんて、お薬増やしましょうね」


昔の精神病院はこんな事が普通にあった。

反抗すれば暴力を振るい。

悪巫山戯をした奴は隔離部屋にいれる。

患者を椅子代わりにしてイスにする婦長まで居た。マジバナでやりたい放題だ。


そんな僻地へと飛ばされた俺。脱出しようとするも外へと続くドアには鍵が有り出られない。看護婦の目を盗んで1つドアを潜り抜けるもその先にも鍵の掛かったドアが有る。何重にもドアが置いてありぜってえ逃さねえぞと言う強い意志を感じた。


そんで捕まった俺に薬を打つ。変化していく、次元を超えて。頭の中が、わけわかめになるんだ。


俺は順調に狂ってイった。













入院して1週間。今日は愉快な仲間を紹介しよう。年上の入院患者が多い中珍しく同年代の仲間、多田克己ただかつみくんだ。こいつは女にレイプされて頭がイッちゃったらしい。一人でよくクルクル踊ってる愉快な奴だ。俺とならキス出来るとか言い出したので俺も良い感じに狂ってたのでフレンチ・キスしたらちょっと気持ちよくてビックリした。克己は今日も踊っている。


二人目の仲間、こいつは佐藤護さとうまもる、俺に「へのこ食うか?」なんつって聞いて来るからへのこ?なんだそれっつったら「へのこぐわねぇ〜」とか言ってどっか行っちゃう変な奴だ。へのこはチ◯コの事らしいってのを誰かから後で聞いた。24年くらい(マジバナ)精神病院に入ってるので新人には必ずへのこ食うか?って聞くらしい。嫌な新人勧誘だ。

こいつは看護婦にパンツを降ろされて金玉をデコピンされてた。痛そうだった笑

背丈は190 くらい有るのに歯がほとんど無い。シンナーをやりすぎたらしい。南無三。


三人目の仲間それはヨシじい。ヨシ爺は皺苦茶なおっさんだ。トイレのドアに体を押し付けてブリッジみたいなのをよくしてる。それをし過ぎて後頭部がハゲて顎が皺苦茶になったみたいだ。俺がウンコ座りして休憩してるとたまに近くに来て女座りする可愛い奴だ。皆からヨシ爺は可愛いな、なんつって言われてる。

全然可愛くないんだが、皆があまりにも可愛い可愛い言うから洗脳されて俺も可愛いなと思ってしまったのは内緒の話だ。


スクワットのしすぎで何故か腕の筋肉が増える奴やTVの野球中継でピッチャーにサインを永遠と送ってる奴、シャブで捕まった奴、包丁で刺されて頭がおかしくないのに普通の病院じゃ捕まるから精神病院に入院してスケープゴートして来る奴。色んな奴が居た。


精神病院の飯は残飯以下だった。

黒いシャリに青色の肉。

一月に一回だけまともな飯が出る。それは監査みたいのが来る時の為だ。体裁だった。

刑務所でピンクで捕まって虐められる受刑者と対して変わりない環境だった。



そんな糞不味い飯を1週間食い続けた。

俺はなんでこんな所に居るんだっけな。

頭が回らなくなる。

薬は俺をバカにしてる。

シャブよりヤバいスピードで速く狂う。


「聖夜くんっ面会だよ」


なんつって看護婦がイってくる。


「めんかい?なんれすそえ?」


「いいからっこっちおいでっ」


乳を押し付けながら俺の腕を掴んでくる看護婦。この柔らかいものはとても良いものだ。

下の階の大広間の様な所に連れてかれる。

他の愉快な仲間達もそれぞれ家族と会ったりしてた。



「せいくんっ!」「お兄ちゃん・・・」「酷いよ・・・」


頭の上で誰かが何か言ってる。

目の前には御馳走がある。

お母さんと妹と姉さんだ。

俺はテーブルの上に置いてあるお土産のピザを一心不乱に喰い貪って居た。こんな美味い飯は久しぶりだ。餓鬼の様に食った。乞食でももっと綺麗な食べ方をするっつうくらい汚く卑しく食べたんだ。


一人で一枚食った。こんなに美味しい物を食えるなんて俺は幸せ者だな、なんてマジで思った。


「せいくんお母さんだよ?体調はどうなのかな?」「お兄ちゃん・・・」「聖夜くん皆心配してるよお」


「うんぅ、大丈夫らよ」


薬の飲み過ぎで呂律は回らなかった。

そんな俺を見て妹が爆発した。

一瞬妹の顔が老婆になった気がした。


みなごろし


目の前の銀髪のグ◯ムリンみたいな可愛い女の子が魔法スキルを唱えると辺りが血の海で広がった。


他の面会者達や後ろに居た看護婦達が体から血を吹き出して倒れる。


「皆殺しじゃい、この建物に居るやつ全員殺す」 


なんつって妹の姿が掻き消えた。


俺は広がる血の海を見てピザのトマトソースなら食べれたのになってぼんやり思った。














車の中、俺は窓の外を眺めてた。


スピードは次元を超えて、変化していく。

シャブのやり過ぎで、声が聞こえる。 


俺は分裂病。色んな声が聞こえた。

体の中から蛆が湧いた。

蝿が飛んだ、錯覚で、

体を洗っても汚れが取れない気がした。

混濁とした意識の中でからだを洗った

擦り落とす、んで違う所をコスる

自分で自分のケツを掘る。

スカルファック、これが地獄のファックだろなんつって。

地獄を見た。


ある時目の前に地獄から垂れ落ちた蜘蛛の糸。


白い蜘蛛の糸が一本あった。


天から落ちてきた、そう思った


それを掴んだ。


天国に行けると思って助かったと思ったらそれは物干し竿代わりにしてた洗濯物の紐だった。


糸は千切れてまた俺は闇に包まれた。













目の前に居るのは、確か、リリィ?


「リリィ?どうしたの?」


「ん、助けに来た」


助けにって?あっ。俺めっちゃぶっ飛んでたわ。記憶がフラッシュバックする。 


頭を抱えた。恥ずかしい気持ちとしょうがないなって気持ち。家族はしょうもない俺の事、軽蔑しただろう。


「あ、ありがとうリリィどうやって治してくれたの?」


「ん、私のお肉食べさせた」


人魚の肉か。

治ったってことで良いかと思った。



母さんは泣きながら喜んでくれて朱音もスリスリと俺に抱き着いて離れなかった。凪紗姉ちゃんも喜んでスポンジで洗ってくれた。

俺は家族にもう嫌われたと思ってたから、

普通に接してくれるのが1番嬉しかった。

過剰に甘えて来たケロね。


そんなこんなで妻'sにも帰還の報告。


のぞみんは聖夜くんもうちょい居れば良かったのにって言われたので、てめー1週間でも入ってみろ嫌になんぞとガチギレしたらめんごめんごなんつって言ってた。のぞみん軽いぜえ


俺が入ってた光ヶ丘精神病院が職員患者全員死亡と言うニュースが流れてたが俺はスルーした。愉快な仲間達よ、さらば。来世で会おう。


俺達は飛び続ける一生。

生きてるだけ、なら

鳴らない音やら毎日起こりうる新しい事柄

全て己から、先ずは家から出て誰かと話す事 からそれを始めよう。



入院はある意味引きこもりだ。


歳を取り、体が動けなくなって引きこもる

若いのに、外に出なくて引きこもる


変えるのは心から、


散歩しただけで捕まる様な見た目をしてたなら


変えてみよう、そう、外も中も一緒だ



んなわけで外を散歩する。

精神病院に入院してたせいでダウナーになっちまったぜ。

リリィと街を歩く。


「そだ、リリィまたお前に喋りかけたら俺大変な目に合うんだケロ」


「ん、大丈夫、今周りに見えるようにしてる」


最初からしとけよ、そう叫んだ俺は悪くない筈


俺の瞳の奥は暗い。待ってはくれないTIMEだった。





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