第18話 夢捨てんな、お前すげぇんだ
思い出したぜあの頃。
それは夏休み。夏は鼓膜の破れるいい季節。違うな。
目にも良し、股間に五感を刺激してしまうこの季節。やって来ました海。
海です海。前世では沖縄の海によく行った。
夜になると何処からか三味線の音が鳴り、おっさんの華麗な歌声が響き渡る。そんな夜の縄。
俺達は夏休みのバカンスに江の島の海に行こうと計画を立てた。夏休みの初日から勿論バカんな事をするつもりだ。
バスを貸し切って旅行だ。面子は俺を含めて、朱音、母さん、カエデちゃん、鏡花、のぞみん、彩愛っち、カレン、護衛達3人組の計11人だ。運転は勿論三戸さんがしている。委員長は図書館のバイトが有るので来れなかった。凪紗姉ちゃんも大学の発表が有るとかで不在だ。
カレンは最初の方ボソボソと喋ってたのだが皆気のいい連中なのですぐに仲良く話せるようになった。コミュ力高い鏡花や彩愛っちに感謝だ。
「カレンさんこちらもお食べになって?
「お、おう!キョーカはなんでも持ってるな!すげえぜ!」
オホホホホ私が持ってないのは殿方を独り占めする事だけですわなんつって流し目してくる鏡花、それをスルーする俺。だって色んな女とやりたいんだもん。クズ。
「お兄ちゃ〜ん、私のお兄ちゃん〜」
なんつって俺の膝を独占する妹朱音。
可愛い。可愛いのだが連れてくる人選を間違えたかと早くも実感する。
「せいくんっ!ブリってる?これやんなよっ!」
巻かれたジョイントを渡してくるラリった母親が居るからだ。誰が渡したかなんて無限収納の彼女しか居ない。彼女は歩く犯罪者だ。
「ちょっと鏡花母さんにあんまガンジャ渡さないでよ、母さん臭いよ?」
「あらん、聖夜さんの事は
なんてわけわかめな事を言う金持ち。
ガンジャをやる奴は口臭が臭くなる。
発酵したバターの様な独特の謎の匂いを発する様になるのは、やってる奴ならすぐに分かる匂いがする。ラッパーがネタをやるのは常識だった。北海道のCLUBに行くとVIPの部屋に山盛りのガンジャのネタが届くなんて話の種もあるくらいだ。
「せいくんがお母さんに臭いって言った!」
「ガンジャ辞めなよ、」
「やめないっ!smoking everyday!」
スヌープドギードッ◯みたいな事を言うのでほっといた。カラオケでもするかって事で皆でカラオケ大会。1番手は朱音。俺の膝の上でダンスするのはやめて欲しい。
「まる、まる、まるまるまるヒョイっ!!」
なんつー歌が前世でもあったのだが今世でもあったのかよプッ◯モニ。
「可愛い、まる」
なんつった俺を開口一番カエデちゃんが
「聖夜くんロリコンだよねっ!」
「あらあら
「いや
「聖夜くんが好きなのはのぞみんのお尻だよ?」
好き勝手言ってるので好き放題言わせてあげた。2番手は勿論俺。
男が歌うと良いとか素敵とか抱いてとか言われて天狗になりながらバスは走った。カラオケはカレンの声がちっちゃくてマジでわけわからんかった以外は楽しめた。カラオケは敷居が高いみたいだな。
母さんは卍ライ◯とチェホ◯のみ◯りを2曲続けて入れて顰蹙を買ってた。居るよねカラオケで連続で歌を入れる奴、母親です。
楽しそうだったので皆でブリブリになりながら歌って騒いだ。無限収納から鏡花が冷えたビ◯ルを出してくれるので酒と葉っぱで皆わけわかめの状態になって目的地へと辿り着いた。
時速220キロで走るバスはけっこう早く神奈川へと到着した。ブリブリになった俺達はゴミのように人の多い江の島を練り歩く。
右を向けばビキニのちゃん姉、左を向けば半裸の姉ちゃん、美女で溢れてた。俺の興奮度はMAX。葉っぱの勢いも重なって最高にハイって奴だ。
「ウヒョーーーっ!!!」
「聖夜くん私のビキニも見てよぉ」
「アッハイッ、カエデちゃん素敵すぎるよ、お花畑に咲く沢山の花々達、その中でも一際輝く一輪の大輪の花、それは君のことです、」
「聖夜くぅうん、私欲しくなっちゃったなぁ」
なんて言うのでパンツを脱ごうとした俺を彩愛っちが俺の頭を叩いて止める
「こんな所でおっぱじめるアホがおるかっ!周り見てみいっ!」
辺りを見渡すとガン見のビーチガール達、ビッチじゃないよ。僕もビッチじゃない、絶対だ。
「アハハ夏のせいだね、海の家行こうっ!そうしよ!」
夏のせいにして海の家に行くことにした。カレンは震えながら付いてきてた。
海の家独特のカレーを食ってパラソルを借りてビーチでエンジョイする。
民衆が後ろからぞろぞろついてくるも三戸さんの担ぐロケットランチャーに恐れおののいて近付かない。助さんも刀を剥き出しで持ってる。
角さんは素手だ。ストリートパイた~って格ゲーをやってて素手が1番強いらしい。
んなわけで朱音に日焼け止めクリームなんて塗っちゃう。順番に私も
カレンもピクピクしてアヘってしまい全員沈黙したのでほっと一息つく。
チェアーでまったりしながら見知らぬ女達を屍姦ちがう、視姦するのだ。
あっちのパイは大きい。
あっちのパイは小さい。
大も小も皆良い。
パイオツに貴賤なし。
貴族の様に優雅に振る舞う俺は正に変態紳士のクラブ。違うか。
そんなおっぱいを眺めてたらパラソルの横から人影が。
「おっぱい見て楽しい?」
ん?楽しいぞ。てか誰だ。
顔をそちらに向けるとそこには人魚が。
「マーメイド!?」
「ん、私は人魚のリリィ。なんでおっぱいなんか見てるの?不思議な
不思議なのはこっちの台詞だ。人魚だと!?アリ◯ルを出すなら何故エルフを出さないんだ作者!?
「人魚さん、おっぱいは良いものなんだ飴ちゃんあげよう、ほい」
「ん、ありがとう」
ナイスおっぱいをしてる人魚ちゃんに飴ちゃんをあげる下心満載の優しい俺。飴を口の中でコロコロしてるリリィに聞く。
「人魚てこの辺に沢山居るの?」
「ん〜?ロリっ、私達は女の人からだと見えないよ、コロリっ、だから君、今危ない人になってるよ?」
なんつって俺の後ろの方を指で指すリリィ。
助さんが抜き身の刀をぶら下げて俺に怪訝な表情をしてた。
「朽木殿、まさか暑さで頭が?いや、元々こんな感じだった気も・・・」アセアセ
なんつってけっこう失礼な事を言ってる。
頭が元々こんな感じのわけあるか、まあんなことはどうでもいい。
「大丈夫大丈夫、そうなんだ、女の人から見えないなんて寂しくない?」
「ん、慣れた、家族も居るし大丈夫」
「そか、それなら良かった!家族は大事だよね、1番大切にしなきゃ」
「ん、わかる、だけど夢を叶えるためにこうやってたまに浜辺に来てるんだ私」
「朽木殿・・・一体誰と話ししておるのでござるか??」こんらん
「そうなんだ、どんな夢なの?」
メダパ◯にかかった助さんをほっといて聞く。
「それはね、ん、」
リリィの夢は自分の足で立ち砂浜を走る事。
海から眺める人間達女は素足で走り回ってた。
足をアッチに駆けたりコッチに行ったり。
股と股を合わせて貝合せをしたりなんかもしていた。それがとても気持ちがよさそうで私もしたいって思った。
だけどそこは人魚。人魚には足がない。
尾ひれは泳ぐのに便利だが、まだ7歳のリリィ(見た目17)には性の知識もなく無邪気な子供だったのだ。そんな事を聖夜に話した。
『7歳!?スケベな事をしたら捕まってしまうかもしれん、いや、大丈夫だ、カクヨムから移動になるくらいやろ(適当)それより足が欲しいのが、夢、か』
「リリィ、足を伸ばす方法?生やす方法ての?それはわかってるの?」
「ん、それは愛を知ることだってお婆ちゃんが言ってた」
「朽木殿が壊れたでござるよ」アセマル
助さんは壊れたみたいだ。無念。
愛ね、やっぱり、愛だよ。
愛の伝道師、この朽木聖夜の出番だっ。
と思ったら助さん角さんに担がれて病院に連れて行かれてしまった。鉄格子の柵の中、中から外へ出れない部屋に入れられそうになったがなんとか無事に脱出出来た。んなことが有って江の島近くの旅館に帰還する。すっかり夜になってた。
「助さん格さん酷いよもう少しで精神病院行きだったじゃん」
「朽木殿すまん、頭がイカれたのかと思ったのだ」ションボリ
「病院でヨロシク・・・」
人魚の仕業だと話ししたら誰も信じなかったのでなくなく暑さでやられましたと言い訳をした俺。入院するくらいなら嘘だってつけるさ。
「たらいま〜遅くなってごめん皆〜」
「お兄ちゃーん!遅いっ!」
抱きついてくる朱音をナデる。
「聖夜くんお帰りっ!ご飯食べちゃったよエヘヘ」
カエデちゃんを筆頭に、頭が可笑しくならなくて良かったですわなんつってくれる女達をナデつつ部屋でゆっくりする。
夏休みが入院で終わるとこだったぜ。人魚さんどうしたんかな海に帰ったのかなと思ってベランダから海を眺めたらベランダにリリィが居た。カーテンをそっ閉じする俺。
「ちょ、俺は何も見てない」
「お兄ちゃん?ナニ言ってるの?」
「ん、来た」
朱音がツッコミを入れてきて部屋の中に突っ込んで来たリリィ。不法侵入し放題じゃん見えなかったら。てか今度キ◯ガイ認定されたら俺の夏休みが終わってしまう。
「アハハっ、ウノしようぜ〜」
「良いよ!お兄ちゃん!」
「のぞみんもする!」「
若干1名ウノを知らないお嬢様にウノを教えながらとりあえずリリィを無視する事にした俺。
「ん、無視しちゃダメ」
なんつってウノ中の俺の頭にデカパイを乗っけてくるリリィ。
即座にオッキした。
「ちょ!?聖夜くん勃起してるっ!」
のぞみんやめたげて。
「これは頭の上にデカパイが乗ってるだけであって」なんて言う日には即座に白衣を着た人に狭い部屋に連れて行かれるかもしれん。なので俺に出来る事は沈黙。沈黙のみだ。
一戦した後にちょっとYOKAZEに当たってくるなんつってリリィの手を引いてベランダに出た。不安や不満があるわけでは、ない。
「リリィ頭がおかしいと思われそうになったぞ」
「ん、だと思った」
「アハハハハって笑えないから」
「ワロタごめん、ん」
「まあ良いんだけどさ、ごめんね話の途中で居なくなって」
「ん、こちらのせいだし大丈夫」
「んでさ、夢の話だったよね?」
「ん、そう、愛を知れば足が生えるってお婆ちゃんが言ってた。私の事を人間が見えるのは君が初めて、期待してる」
「だけどどうやって愛を知るの?」
「ん、愛が何なのかわからない、なぞ」
困ったぞ。下半身を使って解決するには幼すぎる。愛か、愛ってなんだろうな、そうだ考えるな、感じるんだ。
俺はギュッとリリィを抱き締めた。
「何か感じるか?」
「ん、暖かい」
「心は?」
「心?」
「そうだ心だ、体だけじゃなくて心が暖かくならないか?」
「ん、わからない、だけどこうしてると落ち着く」
「それで良いんだ、夢を捨てんな、お前すげえんだ」
「私が、凄い?」
「そうだ、生きてるだけ、それだけで凄いんだ、そんなリリィは凄いんだ」
「私が、凄い、んっ!」
抱き締めてたリリィが光る。
光の粒子がリリィを包み込み夜の闇に一筋の奇跡が光った。
「私、足、生えてる」
「おおっ!?おめでとうっ!!リリィ!!」
「ん、ありが、キャッ!」
リリィに足が生えたのが嬉しくて嬉しくて、リリィの脇の下に手を入れて抱っこしてクルクル回った。
君が居てくれたから楽しかったあの日もあの時もやっぱり
クルクル一人でヤッターヤッターなんつって回ってる俺をベランダ越しに全員が見ていて頭がおかしいと思われた俺は丘の上に有る病院へ暫く入院することになった。
めでたし、めでたし。
そんな病院の中で
君が居てくれなきゃ、楽しくなんてなかったんだやっぱりって思った。
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